FC町田ゼルビアが、アビスパ福岡に後半25分に先制を許したが、同29分のFW中島裕希(34)、同35分のFWドリアン・バブンスキー(22)の2連発で逆転勝ちした。町田は勝ち点を72に伸ばし、目標としていた6位以内を確定した。

一方、まさかの逆転負けを喫した福岡は、勝ち点66でJ1昇格プレーオフ圏内の6位に踏みとどまったものの、この日、東京ヴェルディに勝ち、勝ち点73で首位に立った松本山雅FCとの勝ち点差が7となり、2試合を残し優勝の可能性がなくなった。また横浜FCに敗れて2位に転落した大分トリニータとの勝ち点差も6、得失点差が9となり、自動昇格圏の確保も厳しい状況に追い込まれた。

前半は、両チームともに積極的に攻めながらも、互いにタイトな守備を崩せず、拮抗(きっこう)した展開が続いた。前半18分、最初に町田が決定機を作った。東京五輪世代のMF平戸太貴(21)が右サイドに仕掛けると、FW中島裕希(34)がボールを要求。放り込まれた浮き球パスに飛び込んだが、ヘディングシュートは枠を外した。

前半24分には福岡が決定機を作った。右サイドに抜け出したFWドゥドゥのクロスに、FW城後寿(32)が飛び込むも、シュートはわずかに枠を外した。

後半25分、福岡が先制した。MF輪湖直輝の左クロスに飛び込んだ城後が、DFの頭1つ上から打点の高いヘッドでたたき込み、待望のゴールを奪った。

後半28分、町田の相馬直樹監督はルーキーMF土居柊太に代えてFWドリアン・バブンスキー(22)、MF吉浜遼平に代えてMFロメロ・フランクをピッチに送り込んだ。この采配が的中した。後半29分、フランクからのパスを受けた平戸の左クロスを、中島が頭でたたき込み、今季11点目のゴールを決めて追いついた。

さらに後半35分、平戸の左FKを、ゴール前で待ち構えたバブンスキーが頭で押し込み逆転。バブンスキーは町田サポーターが待つスタンドにダッシュして喜びを爆発させた。

試合後、うなだれる福岡の選手たちがスタンドに歩み寄ると、サポーターから「まだ、やれるぞ」「戦うぞ」などと声が飛んだ。