青森山田(青森)が流通経大柏(千葉)を破り、2年ぶり2度目の優勝を決めた。

青森山田・黒田剛監督(48)の手腕が光る、2年ぶり2度目の頂点だった。「やんちゃな3年生だったので、何度もチームをぶち壊したけれど、再構築しながら、よく日本一になってくれた。2回目ができるかどうか、ずっと複雑な気持ちだった」と選手たちに感謝した。

大きな分岐点を2度乗り越えてきた。昨夏の昌平(埼玉)との全国総体2回戦では、2点先取から4失点で敗れた。目立ちたがり屋の集団は、我こそはと得点を狙い、守備がおろそかになった。練習でも自由奔放さが目立つようになり、同監督は練習参加をやめ、プレミアリーグ流通経大柏戦にも同行しなかった。「お前らを息子だと思ったが、裏切られた」とボイコット。浮かれていた雰囲気を引き締め、チームは4-0で快勝した。

もう1つは今大会前の主将交代。春先に変更したことは過去にあるが、選手権直前は初めて。「ショック療法ですね」と、練習試合も行わず、原点に立ち返った。大会に入ると、飢えた試合欲が集中力にもつながった。今大会5試合で、11人で17得点を挙げた。どこからでも得点できる多種多様な攻撃力を見せつけた。

緻密な研究と成果に、仲の良い監督らからは「青森ジャマだ高校」と敬意を表されている。「雪国から全国をリードしていく存在でありたい」と存在感を際立たせた。【鎌田直秀】