【チェンマイ(タイ)17日=保坂果那】コンサドーレ札幌に3季ぶりに復帰したMF中原彰吾(24)が、武者修行の成果を発揮する。17年はガンバ大阪、昨季はV・ファーレン長崎へ期限付き移籍していた。他クラブを渡り歩いて養われた対応力で、対戦相手として見ていたミハイロ・ペトロビッチ監督(61)のサッカーにも順応し、レギュラー獲得を狙う。

様変わりした札幌で中原が存在感をアピールしている。17年シーズンから2年間、レンタルで他クラブでプレーした。下部組織出身で愛着あるチームへの復帰。「僕がいた時とガラッと雰囲気やメンバーが変わっている。楽しくやれている」と、新鮮な気持ちで練習に取り組んでいる。

経験を生かした対応力は誰にも負けない。2年続けて新たなチームに飛び込み、「札幌と違う環境や戦術、いろんな部分を見られた」。長崎ではJ1自己最多15試合に出場し2得点。札幌の躍進も“敵目線”で見ていた。「後ろからしっかりつないでいた印象。スピード感があるので、速いテンポに合わせていくのが大事」。初めてプレーするペトロビッチ監督流のサッカーに順応するため、この日の攻撃練習、ミニゲームでも、必死に指示に耳を傾けている。

下部組織時代からともにトップ昇格したMF深井は、昨季札幌で主力として1シーズンを戦い抜いた。同期でダブルボランチとして試合に出場するのも夢の一つ。「小学校から一緒にやっているので、わかりやすいかな」と、連係面に不安はない。一方で、長崎ではDFラインでの出場も経験。両面でチームに貢献できるのは自身の武器となる。

12日にはMF荒野から「顔がパンパン」と突っ込まれていたが、キャンプ中に体重が約2キロ減って、引き締まった印象だ。走り込めている証拠で「まだ(状態は)上がってはいない。キツイ練習をやってしっかり上げていきたい」と、さらに仕上げていく。

明日19日には、今季初実戦となるタイ2部ランパーンFCとの練習試合(30分×3本)が予定されている。さらに23日には同国1部チェンマイFCとの一戦。中原は「スタメンでしっかり試合に出られるように」。成長した姿を、今年最初のピッチで見せる。