アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフが行われ、サンフレッチェ広島がチェンライ(タイ)をPK戦の末、何とか振り切って本大会出場を決めた。

元日本代表MF本田圭佑(32)が所属するメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)と同じ1次リーグF組に入り、両チームは3月12日の第2節にエディオンスタジアム広島で対戦する。

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死闘だった。広島はPK戦の末にタイのチェンライを倒し、3年ぶり5度目の本大会出場を決めた。1次リーグはMF本田のメルボルン・ビクトリーと同じF組で、3月12日の第2節にホームで対戦する。初めてACLに登録された本田の凱旋(がいせん)試合となる可能性が高くなった。

多くの好機をつくりながらも、ゴールは遠かった。先制のチャンスだった前半10分、今季期限付き移籍から復帰したFW皆川がPKを失敗。途中出場のFWパトリックも延長後半にネットを揺らしたが、オフサイドの判定だった。シュート22本、保持率67%と数字では圧倒も苦しい突破。主将マークを巻いたMF柏は「本戦は厳しい戦いが待っているけど、1つになってアジアで広島の力を示したい」と意気込んだ。

本田を迎え撃つ。この日は1発勝負の大一番にもかかわらず、会場はガラガラで観客2570人と寂しかった。試合後、柏は中3日で迎える清水エスパルスとのJ1開幕戦に向けて「次は3万人お願いします」と動員をおねだりするほど。だが、オーストラリアでも代名詞の背番号4をつけた元日本代表の凱旋日程が決まり、広島の地だけでなく、日本サッカー界が大いに盛り上がるはず。広島にとって14年以来2度目の決勝トーナメント進出へ“本田効果”も追い風にしたい。

勝負の1次リーグに向けて課題は残った。就任2年目の城福監督は「得点ゼロは大きく反省しないといけない。引かれた時にどう攻めていくか、宿題をもらった」。3月5日のアウェーの広州恒大戦、そして同12日のメルボルン・ビクトリー戦へ、一丸となって高めていく。