コンサドーレ札幌がJ2V・ファーレン長崎に6-3で大勝し、1次リーグA組の単独首位に立った。FW鈴木武蔵(25)が前半5分の先制PKに続き、後半3分に左足で決めて古巣相手に2得点。チーム13年ぶりの公式戦6得点の一翼を担った。リーグ戦も含め公式戦4連勝で、ルヴァン杯は4戦2勝2分け。上位2チームが進出するプレーオフ(6月)進出へ、大きく前進した。

長崎の夜空に武蔵コールが響いた。試合後、札幌FW鈴木は長崎サポーターの元へあいさつに向かうと、所属していた昨季に使われたチャント(応援歌)が起きた。「うれしかった。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。3月に日本代表に初選出され、ひと回り大きくなった姿を見せることができ、笑顔だった。

古巣のゴールネットを揺らすチャンスは、いきなり巡ってきた。前半5分。白井が倒されてPKを獲得。鈴木は「ここのスタジアムで札幌のユニホームを着て蹴るので心臓がバクバクだった」という緊張感を乗り越え右足で左隅に決めた。後半3分にはペナルティーエリア手前で相手守備のパスをカット。そのままゴールに向かい左足で豪快に決めた。「しっかり決められて良かったです」と振り返った。

古巣と初対戦だった。昨年J1だった長崎で11得点を決めた。「前での動きだし、メンタル面、クロスの上げ方を教わって成長できた」。長崎の親会社ジャパネットたかたの創業者で現在は運営会社の社長の高田明氏とも再会してガッチリ握手を交わした。「頑張ってどんどん上を目指して」。励まされた言葉がうれしかった。

チームは公式戦13年ぶりとなる6得点で快勝した。リーグ戦で2戦連続フル出場中の鈴木、宮沢、福森、キム、進藤の5人は引き続き、先発で出場。3失点はしたが最後まで手を緩めず、J2相手にキッチリと実力を発揮した。次戦は28日のリーグ戦、アウェージュビロ磐田戦に臨む。「長崎の皆さんの耳に自分の活躍が届くように頑張りたい」。誰からも愛される鈴木が古巣のためにもゴールを量産する。【西塚祐司】

▼札幌が今季最多の6得点。公式戦では06年9月27日のJ2リーグ徳島戦(札幌厚別)以来で、この時は9月23日湘南戦(平塚)から2戦連続6得点だった。1試合6点はJリーグチーム相手ではクラブ最多タイで、99年5月2日J2甲府戦(札幌厚別)、03年7月2日J2大宮戦(札幌ドーム)と合わせ、今回で通算5試合目。クラブ史上最多得点は03年11月30日の天皇杯1回戦、尽誠学園高(香川)相手の8点。