J2アルビレックス新潟は18日の第14節、愛媛FCとホームのデンカビッグスワンスタジアムで対戦する。17日は聖籠町のクラブハウス練習場で調整した。FW渡辺新太(23)の第7節町田戦(4月3日)以来7試合ぶりのスタメンが濃厚だ。自ら「背水の陣」と決意をあらわにし、今季初得点を挙げて、チームを2試合ぶりの勝利に導く。

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渡辺新は自身にプレッシャーをかけて、ホームの愛媛戦に臨む。「背水の陣です。そのくらいの気持ち」。激しい言葉を自らに言い聞かせる。この日の締めのシュート練習ではゴール前のダミーの間に走り込み、体勢を崩しながらもシュートを放った。ペナルティーエリアの中で迷わずゴールマウスを狙い続けた。

愛媛戦ではトップ下でスタメンの可能性が高い。「自分は外もできるし、外のポジションには内もできる選手がいる」と前線のメンバーでの流動性を重視。「その中で自分は裏を狙う」。パスをつないで攻撃の形をつくる中、渡辺新が得意とするゴール前への飛び出しは、相手の脅威になる。

吉永一明監督(51)から「ここでやらなければ。チャンスを生かせ」と激励された。「その通りだと感じた」。愛媛戦でスタメンなら第7節町田戦以来になる。試合出場そのものも第8節岡山戦以来。12日のアルティスタ浅間(北信越リーグ)との練習試合ではゴールを決めるなど、調子は上がっている。

昨季は大卒ルーキーながらチーム最多の10ゴールを奪った。だが今季はここまで無得点。第11節水戸戦の直前に風邪で体調を崩し、その後はベンチから外れていた。歯車がかみ合わない中、焦る気持ちを抑えて練習に励んだ。流通経大時代も不動のレギュラーだったわけではない。ベンチ外の時期も経験した。国際大会の代表選出経験もない。「自分はエリートじゃない。雑草」。踏みつけられても立ち直る強さがある。

昨季は5月3日の金沢戦でプロ初得点を決めてから3試合連続ゴールで波に乗った。5月は相性がいい。「だからこれからです。とにかく決めたい」。ゴールを決めて、チームも自分も上昇気流に乗る。【斎藤慎一郎】