ガンバ大阪がまたも「ロスタイムの悲劇」に見舞われた。

ジュビロ磐田FWルキアンが前半15分に2枚目の警告で退場。数的優位に立ち、前半44分にMF小野瀬康介(26)が先制ゴールも、その後は追加点を奪えず後半ロスタイムへ。押し切る寸前でPKを与え、追いつかれた。

前節サンフレッチェ広島戦に続くロスタイム失点で4試合連続のドロー。勝ちきれない苦悩が続く。

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パナスタ最多3万7334人が詰めかけた。その大観衆から試合後、G大阪の選手は大ブーイングを浴びた。ラストプレーでPKを献上し、負けに等しい引き分け。あと数分、数十秒を耐えられず逃した勝ち点3。MF倉田秋は「分かんない、今日は。何を話していいか分からない。ここまで続くと異常…」とうめいた。

4試合連続のドロー。前々節のヴィッセル神戸戦は2-0から追いつかれ、前節の広島戦は後半44分に先制しロスタイムに追いつかれた。宮本恒靖監督は「終わり方」を強調。この試合も後半45分にDF菅沼駿哉を入れ、後ろを5人に変更。宮本監督は「ラインを下げすぎないとか、当然のことを確認してきた」と練習でも手を打ってきたが、奏功しなかった。

磐田FWルキアンが前半15分に退場し、数的優位に立って圧倒的に攻めた。だが、パスミスでつながらず、もどかしい展開。前半44分、MF小野瀬がようやくゴールをこじ開けた。しかし、追加点が奪えない。FW宇佐美貴史は「2点目を取れなかったことがすべて。前の責任。1-0の受けないといけない状況を作ったことで、硬さを生み出してしまった」と言った。

14日の天皇杯3回戦で法大に0-2で敗れたショックを払うどころか、負の連鎖に陥っている。倉田は言った。「だれも手を抜いてないし、勝ちを目指してやっている」。試合終了の瞬間、多くの選手がまるで負けたようにピッチに崩れ落ちて悔しがった。この屈辱は必ず、前に進む力に変える。【実藤健一】