帝京長岡サッカー部のFW晴山岬(3年)が14日、J2のFC町田ゼルビアと仮契約を交わした。同校からのプロ選手は、J3を含め5人目。現チームでは、J2京都入りするMF谷内田哲平(3年)に続き2人目だ。

仮契約に先立ち、プリンスリーグ北信越最終節で丸岡(福井)と対戦。晴山は、町田加入を自ら祝うゴールを決め、1-0で勝利。通算成績12勝3分3敗の勝ち点39で初優勝も決め、1日に2度も喜びを味わった。

   ◇   ◇   ◇

ブルーの町田のユニホームに身を包んだFW晴山の顔つきが、飛びっきりの笑顔から、みるみる引き締まった。「チームのために走り、チームのために点を取って、チームのために戦える選手になりたい」。プロとしての目標を口にした瞬間だった。前線からの守備を献身的に行い、得点を量産するのが一番の持ち味。仮契約の場に同席したJ2町田の丸山竜平強化部長(42)は、「ゴール前で点を取る、落ち着きが魅力」と語った。

その言葉を証明するゴールは、仮契約前に行われたプリンスリーグ北信越の最終節・丸岡戦で生まれていた。0-0で迎えた前半16分の決勝ゴール。MF田中克幸(3年)のヘッドでDFラインから抜け出し、GKと1対1になりながら、冷静に右足を出した。「最初は打とうか、かわそうか迷ったけれど、相手が早いタイミングで倒れ込んできたので、ループ気味に力を抜いて打った」。プリンスリーグ初優勝を決めるゴールは、J2町田入りの前祝い。同リーグ通算17得点をマークし、リーグ得点王にもなった。

FW晴山は、U-18日本代表にも4度選出(候補1を含む)されている。6月にはポルトガル遠征、9月にはスペイン遠征と代表で海外も経験。「ポルトガル代表は手足が長く、フィジカルが強かった」。以後はウエートトレーニング、体幹トレーニングに意識して取り組んできた。ディフェンスを背負っても軸はブレずに、前線の起点となり、再びDFの裏に走り込むのも真骨頂だ。

高校での最終目標は、昨年8強に入った全国高校選手権優勝。「プリンスリーグは、6試合連続無失点中。全国選手権の決勝まで無失点でいきたい」。その無失点ゲームで、得点の役目を担うのが晴山だ。最後に笑って、プロ選手になる。J2町田は、今日15日に晴山の加入を発表する。【涌井幹雄】

◆晴山岬(はるやま・みさき)2001年(平13)6月30日、宮城県仙台市生まれの長岡市育ち。サッカーは、4歳から長岡JYFCで開始、前登録も同じ。GKからFWに千手小5年で転向。長岡南中出。昨年の全国選手権は4得点で8強入りに貢献。好きな選手はFW佐藤寿人(37=現J2千葉)。利き足は右。173センチ、65キロ。血液型O。