J1昇格を決めた柏レイソルのネルシーニョ監督(69)は記者会見で「選手はいろんなことに向き合ってくれた。しっかりと要求したことを忠実にやってくれた。今、言葉に表現できないような喜びを感じている」と笑みを浮かべた。

ピッチ上とは対照的な穏やかな表情で「今季は難しい戦いが続いた。中盤になって進むべき道を見つけ、その戦い方が確立できた」と振り返った。序盤は得点力不足がなかなか解消できなかったが、ある程度選手を固定できるようになると安定感が増した。6月下旬から11連勝。7月末の第25節で初めて首位に立ち、逃げ切った。

「我々はタイトルを決めにここに来た。今週はいい準備ができていた」。ある選手によると、今週の練習中には選手間に漂う気の緩みのようなものを感じ取ったのか、激怒したという。練習を止めて「優勝するようなチームはこんな状態ではダメだ」などと厳しい言葉を浴びせて、引き締めをはかっていたという。

前回J2を戦った2010年も1年でJ1に復帰し、翌11年には昇格1年目でJ1を制している。「当時との違いはJ2のリーグのレベルが格段に上がったことだ。拮抗(きっこう)した戦いが続いたのは、J2のリーグ全体が底上げされた証しだ」。69歳の名将は胸を張った。