J1コンサドーレ札幌は柏レイソルに2-4で敗れ、01年以来19年ぶりのJ1リーグ開幕戦勝利を逃した。前半に2失点、後半さらに2点を追加され0-4と大量リードを許した。後半23分にMF荒野拓馬、同31分にMF鈴木武蔵(ともに26)のゴールで追い上げたが、逆転はならなかった。就任3年目のミハイロ・ペトロビッチ監督(62)は開幕戦3連敗。チームはJ2時代の16年から5年連続黒星スタートとなった。

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3年目のミシャ札幌が、またも開幕戦の鬼門を破れなかった。柏との撃ち合いは一歩も引かなかった。4点差に離されてもひるまない。4点目献上の3分後、J1では02年以来の開幕ゴールとなる荒野のシュートが決まる。8分後には鈴木が追加。それでも勝利には届かなかった。ペトロビッチ監督は「決定機に点を取れたのは柏、決められなかったのが我々だった。それが勝敗を分けた」と、シュート合計44本(うち札幌20本)の戦いを振り返った。

攻め負けたわけではないだけに、悔しさが残る。開始直後のMF白井のシュート、鈴木のヘディングでゴールに迫り、立ち上がりは札幌の攻勢だった。前半13分に後ろの連係の乱れで先制点を奪われると形勢逆転。「簡単に失点してしまう場面が多かった。リスク管理が徹底されていなかったのが反省」と、ボランチで先発、後半リベロを務めた主将のMF宮沢は言った。

今季の選手の意識の高さは、シーズン入りから見えた。1月11日、チームで身体測定をした。シーズン中から体脂肪2%、体重2キロ以上の増加、筋肉量2キロ以上の減少を禁じられ、オフ明けの選手は全員がクリアした。昨季は体脂肪が4%以上増えてキャンプインした選手もいた。大塚フィジカルコーチは「よく大きな変化なく戻ってきれくれた。オフもしっかり動いてくれたということ。今までで一番優秀だった」。今季は公式戦開幕が例年より約1週間早い。その分キャンプ期間が短くなる。「1週間の差は大きい。でも初日から負荷をかけた練習ができた」と、調整万全で開幕戦を迎えた。

初の開幕戦弾を決めた鈴木は「前半のうちに1点返せていれば、また変わった展開になったかもしれない。そこは前線の選手として決める時間帯が早くできれば、チームを助けられたかなと思う」と前を向く。さらに「今日の試合をネガティブに考えるんじゃなく、自分たちはやれる」と信じる。鬼門の開幕戦を無得点で終わらせなかった。今季への希望を見せた。【保坂果那】

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▽3年連続開幕戦先発のFWジェイ 風が強くて難しかった。前半のヘディングのチャンスも、急に風が吹いてボールにうまく当てられなかった。

▽2アシストのMFチャナティップ サポーターにおわびしたい。開幕戦で負けちゃって申し訳ないです。チャンスは多かったので、決定機を決められれば勝てた試合。精度を課題に練習したい。