将来のなでしこジャパン入りへスタート。全日本高校女子サッカー選手権5度優勝の常盤木学園(宮城)を卒業したMF沖野るせり(18=苫小牧市出身)は、今春からなでしこ2部ニッパツ横浜FCに加入した。今は病院の受付で働きながら練習に打ち込み、延期中のリーグ開幕を待つ。「早くなじんでみんなに自分のプレーを知って欲しい」と、高校時代から愛用のピンクのヘッドバンドを付け新天地で汗を流す。

自ら選んだ道で夢への階段を駆け上がる。1部所属チームからの誘いもあったが、昨夏に最初に練習参加して「ここが一番成長できる」と感じたチームを選んだ。サッカーを始めた5歳のときから傍らにいた姉くれあ(20、2部ASハリマ)とは、初めて別のチームに所属。「初めて独り立ちしたんです、ずっと甘えてきたので」。“姉離れ”で心身ともに充実を図る。

常盤木学園では主に前線でプレー。昨年のプレナスチャレンジリーグ(なでしこ3部相当)でチーム10得点中、最多の4得点を挙げた。2年時の18年には総体優勝、選手権準優勝したが、最終学年では選手権初戦敗退。「味方も生かせず、自分で打開できる個の力も足りなかった。もっと成長していきたい」。現チームの練習では、トップ下やサイドに入り戦力を目指す。元日本代表FWの神野卓哉監督(49)からも「攻撃はもちろん、守備でも(162センチの)体の大きさを生かして献身的にやってくれている」と評価される。

中学、高校では世代別の日本女子選抜で活躍。「サッカーを続けている以上は一番目指すところ」と日の丸への思いは強い。中学時代のクラブ、高校の先輩で同じ道を歩んだ日本代表DF熊谷紗希(29)の背中を追う。「練習試合でも結果を残すことが大事。自分のレベルを上げていって、試合に出てゴール決めたい」。背番号27のルーキーは、デビューの日を待ち焦がれる。【浅水友輝】

◆沖野るせり(おきの・るせり)2001年(平13)8月24日、苫小牧市生まれ。5歳で競技を始め、苫小牧和光中時代はクラブフィールズ・リンダで活躍。中学3年の16年に道女子リーグ得点王。U-14、同15日本女子選抜。17、18年フットサル日本女子選抜。好きな食べ物はチョコ、唐揚げで、自炊生活ではジンギスカンのたれを使った沖野家特製唐揚げづくりに挑戦中。憧れの選手は澤穂希。利き足は右。162センチ。家族は両親と姉。血液型A。

○…常盤木学園で同じ背番号10を背負った姉くれあは、今季2部のASハリマ入りし「試合に出続けFWとしての役割を果たし、チームの勝利に貢献する」と意気込む。2年間在籍したマイナビ仙台ではリーグ通算4戦1得点にとどまり、新天地で巻き返しを誓う。妹には「高卒ルーキーとして迷わず思い切ってプレーして欲しい」とエールを送る一方で「対戦する時は絶対に負けません」と姉妹対決に闘志を燃やす。