ガンバ大阪宮本恒靖監督(43)が、U-19日本代表候補で新人のFW唐山翔自(18)を、31日の北海道コンサドーレ札幌戦(パナスタ)でJ1デビューさせる方向性を示した。

30日、オンラインで取材を受けた指揮官は「翔自にはゴールに直結する仕事をしてほしい。J3とJ1では質の高さが変わってくるが、トップチームの練習参加をしている中で、強度や駆け引きはある程度慣れているので、今週出ることがあればFWとして仕事をしてほしい」と明言した。

同監督が唐山の出場に関し、ここまで具体的に言及するのは初めて。

今回がJ1リーグ戦では3度目のベンチ入りになる。今週に行われたU-19日本代表候補合宿(千葉)をクラブの事情であえて不参加となり、28日のJ3もベンチ外になった。すべては札幌戦へ照準を合わせ、トップチームで調整を続けてきた。出場の可否は戦況に大きく影響されるが、途中出場で待望のJ1デビューは秒読み段階だ。

宮本監督は今季、宇佐美、アデミウソン、渡辺、パトリックのFW4人を試合展開や戦況に応じて細かく使い分けてきた。だが、アデミウソンが道交法違反(酒気帯び運転など)の疑いで25日から謹慎処分となり、その緊急事態に唐山が実力で名乗りを上げた形だ。

大阪・向陽台3年に在籍する高校3年生の唐山は、本来はユース所属の選手だが、飛び級で今季からプロ契約を結んだ。G大阪U-23チームで参戦するJ3では、今季ここまで20試合10得点の成績を収める。背後からのパスに対する飛びだしがうまく、どんな状況でもゴールを狙える。来年のU-19アジア選手権、U-20ワールドカップ(W杯)、24年パリ五輪の中心を担える逸材だ。

宮本監督は「(アデミウソン不在で)どういう選手を起用していくか、交代で誰を途中で入れることで流れを変えられるか、この1週間で考えてきた。どういう若い選手が、代わりに気概を持って活躍してくれるか今、楽しみにしている」。8月のルヴァン杯でJ1の公式戦2得点デビューを果たした唐山が、今度はJ1リーグ戦でベールを脱ぐ。【横田和幸】