名古屋グランパスが劇的勝利で3位を死守し、9年ぶりとなる来季ACLの出場権を獲得した。後半41分、途中出場のMF前田が左足で決勝点を奪う。その3分前に他会場の4位C大阪が先制点を挙げ、名古屋は瞬間的に4位に転落していた。

今季7点目を挙げた前田は、勝てば自力で3位決定という立場だけを頭に入れていた。「まったく(他会場の経過は)知らなかった。自分たちが勝てば、切り開けるというのはあった」。結果的にC大阪は鹿島に追いつかれたが、名古屋は執念で6戦不敗のまま終着駅にたどり付いた。

18年は15位、19年は13位と2年連続で残留争いを余儀なくされた。昨年9月に途中就任したフィッカデンティ監督は「サポーターに喜びを届けることができた。(観客は)マスクをしていて、私に温かい言葉はなかったが」と冗談を交えて、今季の飛躍を喜んだ。

6、7月に選手やスタッフ、関係者の計6人が新型コロナウイルスに感染し、Jクラブの中でも苦しんだ。主将のDF丸山は「プレーできる喜び、感謝の気持ちを、練習からかみしめてやっていたのがよかった」。来季はストイコビッチ監督時代以来のACLで、名門クラブが復活する。