川崎フロンターレが初の天皇杯のタイトルを手にした。決勝点を決めたMF三笘薫(23)は「タイトルはうれしいし、貢献できてよかったけど、もっと楽に試合を進められた。前半からチャンスが多かったぶん、決め切れていたらケンゴさんも出場させられたかも」と、それまで再三のチャンスをモノにできなかったことを悔やんだ。

シーズン最終戦であり、引退するMF中村憲剛(40)と臨む最後の一戦。試合終了後は1人1人がベンチの中村と抱き合い、喜びを分かち合った。

MF大島僚太(27)は、目に涙をためてオンライン会見に登場した。「たくさんのことを教えてもらったし、あれだけ愛される選手もなかなかいないし、僕もケンゴさんを愛していた1人だと、引退発表されてから本当に感じた。今後もケンゴさんのことを思い出せば悲しくなるかな。ただ、ケンゴさんは『次のステージに進む』と胸を張っておっしゃっていた。そこにいつまでも依存はできないし、今後負ければ『やっぱりケンゴさんかな』と言われることもあると思うので、そこはなにくそと思って、自分が引っ張っていく覚悟を持って戦っていきたい」と、10年間ともにプレーした中村の引退に、決意を新たにした様子だった。