新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したガンバ大阪は9日、目指していた10日の大分トリニータ戦(パナスタ)の開催を中止にすると発表した。前夜に新たに2人の陽性者が判明し、計8人(選手6人、スタッフ2人)に感染が拡大。

保健所からは濃厚接触者はいないとの見解を示されたが、感染の影響範囲が確定できないことが理由。これで3試合連続の中止(順延)措置となる。代替日は協議中という。

2日以降に陽性者が相次ぎ、4日までに6人(選手5人、スタッフ1人)が陽性判定され、8日になって新たに2人増え、計8人になっていた。既に3日名古屋グランパス戦(アウェー)、6日鹿島アントラーズ戦(ホーム)の2試合が中止になり、今回の大分戦が今季のホーム開幕戦になるはずだった。

G大阪では何度も選手らのPCR検査を重ね、他の選手や関係者の陰性が証明されたこと、吹田保健所の検証で6日の時点で濃厚接触者なしの見解に至り、7日に全体練習を再開したばかりだった。

8日も全体練習を行うと同時に検査を実施したが、2人の新たな陽性者が出てしまった。チーム活動は再び休止になり、この日午前の全体練習は中止に。10日の試合に事実上、臨める状況ではなかった。

Jリーグの指針では、クラスター発生時は「活動全体が3週間程度停止」とあり、昨年は同じクラスターになったサガン鳥栖、柏レイソルは各2週間の活動休止に追い込まれた。今回のG大阪は、関係各所と連携の上で早期の再スタートを図ったが、安全と安心が担保できない以上は開催を断念せざるをえなかった。

 

【G大阪の経緯】

▼3月2日 朝から発熱の症状を訴えた選手Aは練習に参加せず、夕方にPCR検査で陽性判定。クラブはJリーグに報告。チームは3日名古屋戦のため、バス2台で名古屋市内に移動。選手Aの結果を受けて遠征メンバーらが検査を受け、3日未明に選手2人、スタッフ1人が陽性判定。

▼同3日 大阪に残った選手1人に陽性判定。この時点で計5人となり、感染拡大防止のために同日の名古屋戦(アウェー)が中止に。Jリーグ独自の基準で選手、スタッフ各1人が濃厚接触の疑いがあることも公表。夜に小野社長が会見を開く。

▼同4日 下部組織を含むクラブ関係者225人が検査を受け、新たに選手1人が陽性判定となり、計6人で大阪府からクラスター認定を受ける。感染の影響範囲が確認できず、6日のホーム開幕鹿島戦も中止に。他224人は陰性だった。

▼同5日 関係各所と協議の上、感染防止対策をさらに施した上で、10日のホーム大分戦から試合再開を目指すと発表。

▼同6日 5日に実施した検査で、これまでの6人の陽性者以外はすべて陰性だったと発表。保健所から濃厚接触者はいないとの見解を受ける。

▼同7日 活動休止中のチームが全体練習再開。

▼同8日 全体練習再開2日目のこの日、再度のPCR検査で選手、スタッフ各1人が新たに陽性判定を受け、計8人に。10日大分戦の開催の可否について協議すると発表。