サンフレッチェ広島のDF荒木隼人(26)が、自身初となるタイトルへの思いを打ち明けた。
7日のセレッソ大阪との天皇杯準々決勝。敗色濃厚で迎えた後半終了間際、柏と川村のMF2人による連続得点で、2-1と奇跡的な逆転勝利を収め、7大会ぶりのベスト4に進んだ。
同じ4強に進むルヴァン杯、2位につけるJ1リーグ戦を含め、今季3冠獲得の可能性があるのは広島だけとなった。
「うれしい。ほんまに信じられない。3冠の目標がつながった。勝つとか、負けるとか考える余裕もなかった。それほどタフな戦い。(最終盤まで)自分たちにゴールはなかったけど、最後までやるしかなかった」
大阪・門真市生まれの荒木にとっては、会場のヨドコウは関大時代に公式戦で使った、思い出の多いスタジアム。大阪弁をまじえ、興奮気味に振り返った。
前半に先制を許し、後半から主将のDF佐々木が負傷で退いた。3バック中央の荒木は、33歳の塩谷とともに途中投入された24歳の住吉を統率。無失点で切り抜けた後半の堅守が、4強進出へとつながった。
「(佐々木)翔君が交代したけど、(他の選手も)いつも一緒にやっているメンバー。そこまで違和感はなかった」という選手会長は「ここまでプロ4年間、僕にとって初めてのタイトルが近づいている。こんなに充実したシーズンはない」と言い切る。
7月には3年ぶりに日本代表に招集され、日の丸デビューを果たした。安定した守備力に、高い打点のヘッドによる攻撃力。今季リーグ戦もここまで欠場は1試合だけで、残り27試合はすべて先発し、途中交代は1度だけ。Jリーグ屈指のタフなDFだ。
この日、同じ広島ユース出身で1学年下のC大阪FW加藤陸次樹(むつき、25)とは、今季3度目、通算5度目の対戦でもゴールは許さなかった。
対戦成績4勝1敗と先輩の威厳を保った荒木は「(加藤には)個人的にはやられていた」と話したが、加藤からは「マンツーマン気味についてきて、すごく距離感がいい。くさびに入っても、そのつぶし方がうまい。日本代表に選ばれている理由を実感した」と脱帽された。
森保監督時代に3度のリーグ優勝など黄金期を迎えた広島は、荒木が入団した19年以降はタイトルとは無縁だ。人生初という外国人指揮官、ドイツ人のスキッベ監督の下で成長を続ける荒木は、プロ初のタイトルはもちろん、00年度鹿島アントラーズ、14年度ガンバ大阪に続く、史上3クラブ目の年間3冠に挑戦する。【横田和幸】



