2大会ぶり4度目出場の履正社が、大量4発のゴールで悲願の日本一へ好発進した。シュート数は東邦の7本に対し、18本と圧倒。迫力満点の攻撃を指揮したのが、背番号10の名願だ。
W杯カタール大会で活躍した日本代表MF三笘薫(ブライトン)をほうふつさせるプレーを披露した。後半29分、左サイドをドリブルで2人かわし、自身のクロスを起点に、最後はこぼれ球に詰めて自らの右足で決めた。試合を決定付ける3点目だった。
「相手(マーク)が2、3人いて、なかなか仕掛けられなかった。正直、自分のプレーは物足りない」と辛口の自己採点ながら、三笘2世は「結果にこだわっているので、得点はよかった。チームが日本一になるために貢献したい」と喜んだ。前半35分のMF小田村の追加点も、名願の直接FKが起点になった。
ドリブルは力感あふれる三笘に対し、名願は柔らかく、同時にゴールへの嗅覚は超高校級だ。タイプは違うものの、1人で打開できる力は共通する。
「三笘選手のドリブル突破はすごく好き。もちろんリスペクトしているが、自分は自分というふうに、やっていきたい」
19年夏の甲子園で初優勝した野球部に続き、サッカー部も日本一を狙う。13、14年度は、のちに日本代表FWに成長した林大地(シントトロイデン)を擁し、ベスト8に進んだ。平野直樹監督(57)は「初戦はまず勝つことが大切。これで波に乗ってくれればうれしい」と言った。
今冬は卒業生のFW町野修斗(湘南)がW杯代表になり、名前に同じ「斗」が入る名願は来春、川崎Fに進む。「4年後は自分もあそこに立てたら」。三笘や先輩から刺激を受け続ける名願は、その前に高校日本一の座をつかみにいく。
○…Jリーグ神戸の下部組織出身で3年のMF小田村が大阪大会初戦から5試合連続ゴールを記録した。1-0で迎えた前半35分、GKがはじいた球に右足が反応。これで5戦6発と抜群の決定力を見せつける。昨夏は約1カ月、主務に配置転換となり、仲間の練習着を洗濯するなど裏方に回った異色の存在。平野監督の指導で人間的に成長し、背番号8は「支えてくれた人たちのためにも、日本一という景色を見せたい」と意気込んでいる。
◆名願斗哉(みょうがん・とうや)2004年(平16)6月29日、大阪・堺市生まれ。G大阪ジュニアユースから履正社に進む。卒業後は川崎F入団が内定。U-18日本代表。50メートル走6秒7。好きな言葉は「凡事徹底」。180センチ、65キロ。



