12年ぶりに選手権の舞台に帰ってきた国見(長崎)が熱戦を制して初戦を突破した。

北海(北海道)と1-1でPK戦にもつれ込み、最初のキッカーが外したが逆転勝ち。同校で監督を務め、6度の選手権優勝に導いた小嶺忠敏さんは今年1月に逝去。名将にささげる1勝で、高らかに古豪復活だ。伝統だった丸刈り頭も携帯電話禁止のルールも撤廃した「ニュー国見」が、国立帰還を目指す。

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国見の木藤健太監督(41)は高校時代、小嶺監督に不信感があった。すれ違いの原因は戦術スタイル。「僕はボールを大事にしながら組み立てるサッカーがしたかった。高校生ながらやりたいことはあった。でも当時の国見はロングボールが主体。先生は厳しかったので、面と向かって言えることはできなかった」。

今でこそ明かせる本音だ。「先生が言われていたことを100%やれてなかった。なかなか理解できないこともありました」。当時のトップレベルはパスサッカーが主流だった。なおさら、小嶺スタイルとのギャップを感じていた。

不信が「尊敬」に変わったのは、小嶺監督が逝去後だった。通夜、葬儀は遠征中で出席できなかったが「多くのメディアで『元国見高校監督』と、国見の名前が出た。改めて偉大さに気づきました」。恩師の足跡を知った。自宅の仏壇で手を合わせ「先生を全国に連れていきたい」と誓った。

18年の就任後は国見の歴史を学び、周囲から小嶺監督の話を聞いて回った。「選手権で優勝6回は大偉業。それをどう築かれたかは、監督になって知りました。先生の情熱はすごかったんですね」。木藤監督は、何度も空を見上げていた。【只松憲】

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