全国高校サッカー選手権新潟大会の決勝が12日、デンカSで行われる。2大会ぶり10度目の優勝を狙う帝京長岡は右ウインガーのMF原壮志(3年)が50メートル走6秒の俊足を飛ばしてゴールに迫る。9大会ぶり2度目の優勝を狙う開志学園JSCは左サイドバック(SB)の吉村太陽主将(3年)が攻守のキーマンとなる。両校の背番号10を背負う2人が同サイドでマッチアップし、全国選手権出場(12月28日開幕、首都圏)を懸けて火花を散らす。【小林忠】

【帝京長岡】県総体との2冠に向け、快速ウインガーがサイドを鋭利に切り裂く。古沢監督から攻撃のキーマンに指名される原は、スピードに乗ったドリブルと、スペースへの抜け出しが武器。北越との準決勝(4-2)では縦への突破を警戒されながらもMF橋本燦(3年)のチーム2点目をアシストし勝利に導いた。「目標は日本一。全国への切符をつかむためにも、自分の特長を発揮して勝利に貢献したい」と決勝での躍動をイメージする。

高校入学当初はポジションが定まらなかったが、トレーナーの指導のもと、走力を向上させ、50メートル走は入学時より0・7秒縮めて6秒ジャスト。足元の技術に「スピード」というアイテムを加え、右ワイドの定位置をつかんだ。同じく速さが持ち味の右SB松岡涼空(3年)とのコンビは破壊力抜群。「相手も両ウインクが速いが、自分たちが圧倒したい」。

2大会前の決勝はスタンドから戦況を見つめたが、今年は大声援を背にピッチに立つ。「ワクワクする。責任感も持ってプレーする」。サイドでマッチアップする開志学園JSCの吉村に対しては「はがせば、相手チームに心理的ダメージを与えられると思う。強気に行く」。帝京長岡の背番号10がしつこく攻める。

◆帝京長岡(プリンスリーグ北信越1部) 長短のパスと個人技を織り交ぜながら敵陣へ進入を繰り返す。2トップの堀主将、新納の得点感覚は抜群。控えにも野村、安野と好調FW陣がそろう。中盤は山村、ボランチの橋本がゲームをコントロールし、右からはMF原とDF松岡がスピードを生かして崩す。世代別日本代表経験のある左DF内山の攻撃参加も効果的。今大会は初戦の3回戦から4試合で25得点(3失点)。

【開志学園JSC】チームの精神的支柱がチームをけん引する。宮本文博監督が「ピッチ内外でリーダーシップを発揮できるすごい選手」と信頼を寄せる吉村は左SBの位置からピッチ全体を見渡し、的確な指示で味方を動かす。守備では粘り強くボールを奪い、攻撃では左足でピンポイントクロスを送る。上越との準決勝(4-3)では2-3の後半17分に同点弾を決め、延長戦での勝ち越しを呼び込んだ。決勝に向け「うちは必ず得点が奪える。理想は複数得点だがどんな勝ち方でもいい。全員で入りから勢いよくいき、圧倒したい」。

今春の県総体は16強止まり。個性豊かな選手が集まるが、チームがまとまらなかった。「現在進行中です」と苦笑いも、今大会、勝ち上がるごとに結束力はアップ。準々決勝では前回大会覇者の日本文理を2-1で破り、駆け上がった。「いい意味で空気を読まない選手がそろっている。どんな状況でも打開できる力はありますよ」と自信を示す。

決勝は帝京長岡の快速ウインガー原と対峙(たいじ)する。「いかに自分が止められるか。気持ちを入れ、1つ1つの対人にこだわっていきたい」。相手キーマンの自由を奪い、9年ぶり2度目の県制覇を呼び込む。

◆開志学園JSC(JAPANサッカーカレッジ高等部、新潟県リーグ1部) サッカーを専門に学ぶための学校。相手に応じてシステム、戦い方を変化させる柔軟性を持つ。両翼の浅野、阿部がスピード豊かにサイドをえぐり、トップ下の土山は大柄ながら柔らかいタッチでラストパスを送る。GK蒲沢のセービング、フィードも光る。今大会は初戦の3回戦から4試合で16得点(4失点)。