東京・晴海の東京パラリンピック選手村で北薗が村内を巡回する自動運転バスと接触する事故に遭った柔道男子81キロ級代表の北薗新光(30=アルケア)が28日、1回戦を欠場した。

北薗は視覚障害があり、警視庁月島署によると頭部打撲など2週間のけがを負った。柔道男子日本代表の遠藤義安監督は、同選手が体調不良のため28日の試合を欠場すると話していた。

事故は26日午後2時ごろ発生。交差点を右折中のバスが、横断歩道を渡る北薗選手とぶつかった。バスが事故直前に近くの警備員をセンサーで検知して停車し、乗車するオペレーターの操作で発進した直後に接触したとみられる。北薗は接触後に転倒し、村内の診療所で治療を受けた。事故前は1人で食堂に向かって歩いていたといい、署はオペレーターや警備員が視覚障害があることに気付かず発進させたとみて調べている。

北薗は神戸市出身で3大会連続の出場。視覚障害者のみで争われるパラ柔道は障害の重さによって全盲のB1と弱視のB2、B3の3クラスに分けられ、同選手はB2クラスだった。

◆北薗新光(きたぞの・あらみつ)1991年(平3)2月17日、兵庫県神戸市生まれ。兵庫・育英高時代は重量級で活躍。京産大進学時の検査で網膜色素変性症が判明してパラ柔道転向。パラリンピックは12年ロンドン大会100キロ級2回戦敗退。16年リオデジャネイロ大会73キロ級5位。81キロ級で臨む今回はメダルが期待されていた。