東京パラリンピック男子柔道日本代表の遠藤義安監督が28日、日本武道館で取材対応し、27日に選手村内で男子81キロ級の北薗新光(30)が村内巡回自動運転バスと接触事故後、出場を辞退した件について現状を説明した。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の発表では「食欲不振などによる体調不良」と伝えられたが、遠藤監督は「試合に出られなくて残念がってはいるが、自室で変わりなく過ごしている。昨日も(銅メダルの)瀬戸(勇次郎)が帰るのを待って喜んでいた。食事はコーチが運んでいる。部屋で食事をするくらい元気な状態にある」と食い違う部分もあった。

欠場の理由としては「頭痛などがみられる。本人も家族と相談したようで、何かがあるとよくないということで出場を辞退した」と説明。だが、事故の状況や体調を含めた聞き取りに関しては「詳しいところまではやっていない。(事故も)はっきりしない。本人は他の選手たちと同じ行動をしている。我々は30日正午には選手村を出る」と話した。

北薗は全盲ではなく、周りが見えない視野狭窄(きょうさく)。パラ柔道は全盲のB1と弱視のB2、B3にクラス分けされるが、北薗はB2だった。

26日午後2時ごろ、北薗が選手村内の横断歩道を横断しようとした際、村内巡回自動運転バスと接触した。組織委によると、事故直後から、バスの運行を中止している。