05年4月のJR福知山線脱線事故で頸髄(けいずい)損傷し、首から下のまひが残る岡崎愛子(35=日本身体障害者アーチェリー連盟)が、決勝トーナメント1回戦でテレジャ・ブラントロバ(チェコ)を128-115で退け、準々決勝進出を決めた。

最初の1射こそ的の中心から大きく外れる6点だったが、2射目に中心の10点を射貫いて流れをつかんだ。その後は安定して得点を重ね、徐々にリードを広げた。

サウスポーの岡崎は決勝トーナメントの組み合わせを決めるランキングラウンドを9位で通過し、同8位の相手を破った。準々決勝ではランキングラウンド首位だった陳敏儀(中国)と対戦する。

◆岡崎愛子(おかざき・あいこ)1986年(昭61)1月10日生まれ、大阪府池田市出身。小学校ではテニス、中学ではソフトボールを経験。高校以降は自宅の愛犬とフライングディスクドッグ競技で全国大会出場。同志社大商学部2年時にJR福知山線脱線事故に遭い、負傷者最後の退院患者。卒業後、08年ソニー入社。14年に退社し、犬のケアに関する仕事を起業。13年冬に母の勧めでアーチェリーを開始。19年パラ世界選手権銅メダルで、東京パラ出場権を獲得。今大会は個人と混合団体の2種目に出場。8月28日の混合団体では初戦の準々決勝で敗れた。