北日本地区のホープで117期の小笠原光(26=岩手)が、予選7Rで7場所ぶりに白星発進した。3分戦の中、6番手に置かれながら、残り1周で猛ダッシュ。前団のあおりを乗り越えて大外を伸びた。検車場に戻ると大粒の汗をぬぐい、「後ろの川津(悠揮)さんを連れ込めなかったが、苦しい展開で勝てた。何か後押しがあったかな」と話した。

冬季移動先の久留米で質量ともに濃い練習をこなして状態は上向くばかり。そして、今節はより気合が入る訳がある。松戸は同期で、21年2月に練習中の事故で他界した成清龍之介さん(享年21)のホームバンクだった。「近くにきたときは、お父さん(成清貴之・73期)に連絡して家の仏壇に手を合わせたり、松戸を走るときは名前入りのジャージーを着て気を引き締めたりしています。初日もどこかで応援してくれたかも。2日目も大事」。自身の奮闘が何よりの供養なる。そう信じて3場所ぶりの決勝進出が懸かる準決12Rも果敢に攻める。