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オルフェ宝塚回避 追い切り直後に肺出血

調教を終え、池江調教師(左)に出迎えられ引き揚げるオルフェーヴル。右は池添騎手
調教を終え、池江調教師(左)に出迎えられ引き揚げるオルフェーヴル。右は池添騎手

 宝塚記念(G1、芝2200メートル、23日=阪神)にファン投票1位で選出されていたG1・5勝馬オルフェーヴル(牡5、池江)が、肺出血のため同レースを回避することが13日、発表された。この日、栗東坂路での1週前追い切り後に「運動誘発性肺出血(EIPH)」を発症。重篤な症状ではないものの、万全の状態で出走できないと判断された。大目標の凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、10月6日=ロンシャン)出走への望みは捨てておらず、今後の回復状況を見極めて決定する。

 ファン投票1位のスターホースが、思わぬ形でドリームレースから姿を消した。午後3時45分、栗東トレセン事務所で急きょ設定された会見に現れた池江泰寿調教師(44)は、顔をこわばらせてマイクを握った。断腸の思いだった。

 「あと1週間と少しでベストのコンディションへもっていくには物理的に無理と判断し、回避の決意を固めた次第です。1位に支持していただいたファンのみなさんに強い姿をお見せしたかったんですが…」

 絶好の動きを見せた直後に「運動誘発性肺出血」の発症が判明した。この日の朝、オルフェーヴルは池添騎手を背に坂路で1週前追い切りに臨んだ。ほぼ馬なりのまま4ハロン52秒5-12秒5をマーク。僚馬マナクーラ(古馬1600万)に3馬身先着して、鞍上も「いい反応をしていた」と評価した。だが、調教後の息遣いが荒く、せきなどの症状も出たため、内視鏡検査を受けたところ、肺内の出血が見つかった。

 凱旋門賞出走への望みは、まだ捨ててはいない。トレーナーは今後について「まったくの白紙。体調を見てオーナーサイドと相談する」とした上で「僕の経験から言えば再発は防げる。ここで(出走を)やめたのは、状態が悪くなって引退に追い込まれないようにするため。(症状が)初期の段階なら、2週間休ませてゆっくり立ち上げれば元のパフォーマンスができる」と説明した。近日中に栗東近郊のノーザンファームしがらきへ放牧に出されて休養に入り、状態を見極めた上で判断が下される。

 “早期発見”が不幸中の幸いだった。肺からの出血が多量になると気道を通って鼻からあふれる「鼻出血」となり、レースにも出走できなくなる。通常は鼻からの出血が見つかるまで症状に気付かない場合が多いが、今回は出血が少量の段階で発見された。ルール上は出走しても問題にならないが、池江師は「血管がもろくなって癖になると今後の競走生活にも大きく影響する。ファンや残りの3強にも失礼」と説明した。苦渋の決断は、再起を見越しているからこそ。再び勇姿を見られる日を誰もが待ち望んでいる。【太田尚樹】

 ◆運動誘発性肺出血 レースや調教などの強い運動によって肺に負担が掛かり、血管の一部が破れて出血する症状。栗東トレセン競走馬診療所検査課の石川裕博課長は「人間にたとえると、全速力で走って口の中に血の味がするような症状」と解説する。全治期間は、さらに症状の重い鼻出血で1カ月とされており、肺出血なら長くても数週間程度とみられる。石川課長は「あくまで一般論」とした上で「(基本的には)治ります。出血の程度が軽ければ、そんなに心配することではなく、特に治療は必要ない。安静と休養が一番大事」と説明した。ただ、再発の可能性はあり、現状では完全な予防策は確立されていないという。

 [2013年6月14日9時0分 紙面から]




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