鹿島アントラーズは20日、ホームでFC東京と対戦する。4月23日のアルビレックス新潟戦からJ1リーグ戦5試合連続無失点勝利中。東京にも完封勝ちし、6試合連続無失点での6連勝となれば、93年の清水エスパルス、96年の横浜フリューゲルスに次いで27年ぶり3チーム目のタイ記録となる。

過去の2チームは延長、PK戦があった時代。いずれも期間中に延長Vゴール勝ちとPK戦勝利を含んでおり、90分間での6試合連続無失点勝利となれば、J1史上初の快記録だ。

連続試合無失点記録においてクローズアップされるのがGKの存在。6試合以上連続クリーンシートを達成したGKを見ると、Jリーグ歴代屈指の守護神が並ぶ。今季の鹿島は大卒3年目の早川友基(24)が開幕からフル出場を続け、ハイボールの処理など徐々に安定感を増す。

早川は昨季J1デビューし、通算出場数は18試合。今季のシュートセーブ数はリーグ17位タイだが、DFと連係しながら5試合連続無失点期間中の「被枠内シュート」を7本にとどめる。その枠内シュートは24歳の新守護神が確実にストップ。こうしたデータ傾向は、J1通算533試合出場のGK曽ケ端準が鹿島のゴールマウスを守っていた頃と重なる。

◆J1連続試合無失点記録

9 名古屋 21年○○○○○△△○○ ランゲラック

7 浦 和 14年○○△○○○○ 西川周作

6 清 水 93年○□□○○☆  シジマール

〃 横浜F 96年○○□□○○  楢崎正剛

〃 鳥 栖 21年○○○△○△  朴一圭

5 鹿 島 23年○○○○○?  早川友基

【注】□=延長Vゴール勝ち、☆=PK戦勝ち(JリーグでのPK戦突入は記録上、引き分け扱いにしない)。5試合連続無失点はシーズンまたぎを含め、今季鹿島の他に延べ19チームが記録

◆6試合以上連続無失点を記録したGK

9試合連続無失点のJ1記録を樹立した21年の名古屋はランゲラックの存在感が際立った。14年に7試合連続無失点の浦和も西川周作が大活躍。記録を達成した7月23日の徳島戦では試合終了の笛がなると、間髪入れずにゴール裏からは「西川コール」が起こった。

93年のシーズン中盤に6試合連続無失点を記録した清水はシジマールが奮闘し、Jリーグ草創期を盛り上げた。開幕6試合連続無失点の96年の横浜Fは元日本代表の楢崎正剛が自陣ゴール前に立ちはだかった。同じく21年の開幕から6試合連続無失点の鳥栖も、GK朴一圭がシュートストップだけでなく、広い守備範囲で最終ラインの背後のスペースを埋めた。