サッカー日本代表(FIFAランキング23位)が決勝でチュニジア(同35位)に0-3で敗れ、2016年以来6年ぶりの開催となったキリンカップで優勝を逃した。守備の連係ミスを突かれ、まさかの3失点完敗。6月の国際Aマッチ4試合を2勝2敗で終えた。

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日本は攻撃面でやろうとしていることがうまくいかないのに、それでもかたくなにやろうとしているように見えた。W杯を見据えると、状況に応じては、打つ手を変えることも必要かも知れない。

仕掛けには2つの方法がある。1つは守備から。プレスをかけてショートカウンターなりでチャンスを生み出すもの。もう1つはボールを保持しながらパスをつなぎ、アタッキングサードで組織的に仕掛けるもの。日本はつなぎながら点を取ろうとする姿勢が見えるが、個人に頼る場面が目立った。

伊東や三笘が仕掛けてチャンスを作ることはあっても、個人の突破で点まで結びつけるには限界がある。W杯は個人戦術で勝てるほど甘くはない。相手に分析され、タテを切られてつぶされたら終わってしまう。ビルドアップからトップ(FW)に当てる攻撃はほとんどなかったので、うまくバランスを取ることと、グループで組織的に仕掛ける意識を持つことも大切だ。

この日、3失点した守備面でもムダが多いように映った。タイトな日程を戦うW杯では、もっと効果的な守備を構築する必要もある。(日刊スポーツ評論家)

日本対チュニジア 後半、自身のファウルでPKとなり先制点を挙げられた吉田(撮影・加藤哉)
日本対チュニジア 後半、自身のファウルでPKとなり先制点を挙げられた吉田(撮影・加藤哉)
日本対チュニジア 前半、決定機を逃し、ゴール内で悔しがる鎌田(撮影・横山健太)
日本対チュニジア 前半、決定機を逃し、ゴール内で悔しがる鎌田(撮影・横山健太)