12月は「師走」という通り、どんどん時がかけていく。気が付けばもう年末。全国高校サッカー選手権(東京・国立競技場ほか)が28日から開幕する。
今年はどこが強いのか? むろん、高円宮杯U-18プレミアリーグ2023ファイナルを制した青森山田の実力は疑う余地がない。技術、組織力ともに高い広島ユースを土壇場で逆転した勝負強さは、もはや説明するまでもないだろう。
それに続くチームはどこか? その力関係を知る上で、重要になってくるのが、今季のリーグ戦の実績だろう。
高校生年代(U-18)は東西に分かれる高円宮杯プレミアリーグを頂点に、各地域ごとのプリンスリーグがあり、その下には都道府県リーグが広がるピラミッド型で構成されている。シーズンを通しての腕試しだ。そして来季の昇格を懸けたプレーオフ(PO)が今月中旬まで行われていたが、ようやく全日程が終了した。
全国大会に出場する48校をピラミッドの上から順番に並べてみると、こうなった。
■プレミアリーグ(9校)
<イースト>
青森山田(青森)=優勝→ファイナル優勝
尚志(福島)=2位
市船橋(千葉)=5位
昌平(埼玉)=7位
前橋育英(群馬)=8位
<ウエスト>
静岡学園(静岡)=3位
大津(熊本)=4位
米子北(鳥取)=7位
神村学園(鹿児島)=10位
■プリンスリーグ1部(15校)
<北海道>
北海(北海道)=優勝→プレミアリーグ昇格PO×
<関東>
矢板中央(栃木)=7位
<北信越>
帝京長岡(新潟)=優勝→プレミアリーグ昇格PO◎
星稜(石川)=4位
富山一(富山)=7位
<関西>
近江(滋賀)=2位→プレミアリーグ昇格PO×
京都橘(京都)=4位
東海大大阪仰星(大阪)=5位
<中国>
岡山学芸館(岡山)=2位→プレミアリーグ昇格PO×
立正大淞南(島根)=6位
<四国>
徳島市立(徳島)=2位
大手前高松(香川)=5位
今治東中等教育(愛媛)=9位
<九州>
日章学園(宮崎)=2位
長崎総合科学大付(長崎)=6位
■プリンスリーグ2部(5校)
<北信越>
丸岡(福井)=3位
松本国際(長野)=4位
<関西>
神戸弘陵(兵庫)=優勝※来季は1部昇格
<九州>
飯塚(福岡)=2位※来季は1部昇格
佐賀東(佐賀)=7位
■都・県リーグ1部(17校)
遠野(岩手)=優勝→東北昇格PO×
仙台育英(宮城)=優勝→東北昇格PO◎
明桜(秋田)=優勝→東北昇格PO×
山形明正(山形)=8位
明秀日立(茨城)=優勝→関東2部昇格PO×
堀越(東京)=6位
日大藤沢(神奈川)=優勝→関東2部昇格PO×
帝京三(山梨)=優勝→関東2部昇格PO×
名古屋(愛知)=優勝→東海昇格PO×
帝京大可児(岐阜)=優勝→東海昇格PO×
四日市中央工(三重)=優勝→東海昇格PO◎
奈良育英(奈良)=優勝→関西2部昇格PO×
初芝橋本(和歌山)=優勝→関西2部昇格PO◎
広島国際学院(広島)=2位
高川学園(山口)=優勝→中国昇格PO◎
明徳義塾(高知)=6位
柳ケ浦(大分)=3位
■都・県2部(2校)
早実(東京)=4位
名護(沖縄)=2位
■川崎F下した尚志の勝負強さ
この結果を見れば「実力校」はどこか、大まかながらヒエラルキー(階層)が浮き上がってくる。プレミアリーグ勢は9校いるが、青森山田に並び、優勝候補となりそうなのは尚志(福島)と静岡学園か。特に尚志は各ポジションにキーマンが揃っており、充実したシーズンを過ごした。
12月3日の東地区の最終節で、優勝の可能性を残すチーム同士として川崎フロンターレU-18と対戦。試合は川崎Fがボールを握り、完全に主導権を握っていた。人とボールが正確に連動する。「これが高校生のサッカーか」とそのクオリティーの高さには驚かされた。だが、勝利したのは受けていた尚志だった。
ボールを回されながらも厳しいディフェンスで要所を抑え、いったんボールを回収すれば鋭いカウンター攻撃を披露。その攻守両面における運動量はすさまじいものだった。FW笹生悠太、網代陽勇の2トップの決定力も高かった。
仲村浩二監督は「どんどん出てくるパスワークによく耐えた。うちは走るスタミナがあるので、そこで負けてはいけない。選手権では(川崎Fのような)こんなチームはいない」と話し、選手権に向けて手応えをつかんだ様子だった。
尚志はプレミアリーグに3度目の挑戦だったが、過去2回は最下位で降格していた。「今回は絶対に残留する」と臨んだところ、優勝争いという上方修正となった。「染野のような1人のスーパースターがいても勝てないのがプレミア」と仲村監督は話していたが、今回は各ポジションにキーマンとなる選手がそろい、充実したシーズンを過ごした。
また、選手権では3年前、エース染野唯月が準決勝(埼玉スタジアム)で青森山田を相手にハットトリックし、3-3-という激戦の末にPK戦で敗れている。その試合を見て入学してきた現3年生たちは、初優勝への意欲にあふれている。今大会は初戦で前回王者の岡山学芸館と激突。こちらもプレミアリーグ昇格POまで進出している実力校だけに、2回戦屈指の好カードと言って間違いない。
■インターハイ上位は県1部所属
ただ、これらシーズンを通してのリーグ戦とは異なり、一発勝負のトーナメントだとダークホースの存在は見逃せない。
実際に県1部リーグ所属ながらインターハイを制したのは明秀日立(茨城)であり、同じく3位だったのは日大藤沢(神奈川)だった。また、県1部所属ながら一発勝負のPOに勝利し、来季のプリンス昇格を決めている帝京大可児(岐阜)、四日市中央工(三重)なども弾みがつけば上位進出の可能性は十分だ。
独特の高揚感が選手の背中を押す選手権という一発勝負の舞台。勝ち上がる上で「舞い上がってしまわないように」(仲村監督)はポイントだろう。今季のヒエラルキー通りの結果となるのか、はたまた階級ピラミッドを崩す新たなダークホースの出現はあるのか、正月の風物詩は今回もおもしろくなりそうだ。【佐藤隆志】









