「現場発」、このコラムの名の通り、現場からお届けします。
今回はW杯(ワールドカップ)ロシア大会の抽選会が行われたモスクワからズドラーストヴィチェ、こんにちは。約4年ぶりのモスクワ。大好きなこの街にまたやって来る機会に恵まれました。
ここモスクワは相変わらずの渋滞。走る車はとけた雪の泥水をはね上げ、みんな泥だらけ。そして女性に対し頻繁に花を贈る、素晴らしい習慣も変わっておらず、24時間営業の花屋さんが日本のコンビニ以上にひしめき合っています。
一方で、便利な地下鉄はニョキニョキとそこかしこで延長中。クモの巣のような路線図は拡大。難しいキリル文字だけだった案内板にも、W杯に向け英語表記が加えられている気がします。
変わらないことと、変わること。街の歴史と時の流れをあらためて感じました。
抽選会ですごかったのは、プーチン大統領の圧倒的な存在感と、マラドーナ氏のちょうネクタイ。そして、何と言ってもあのコサックダンスです。驚異的な足さばきと身のこなしに、体のキレ。そしてスピード感。コサックダンス半端ないって、といった感じでした。
ああ、日本代表にもあのフィジカルがあればと思ってしまいました。
早速ハリルホジッチ監督に聞くと、お前はいつも何を聞くんだ? といった表情でしたが「あれは、下半身がすごいな」。最後にはうなずいておられました。コサックダンス・トレーニング導入は、もちろんなさそうですが…。
コサックダンスと衝撃の対面を果たして思ったことがあります。
まさにカラダひとつで、シンプルに極限までのハイパフォーマンスで魅了するあの姿勢が、ロシアでの戦いを控えるハリルジャパンの指針になるのではということです。
華麗なパス回しやボールを保持して畳みかけるようなスタイルは確かに、魅力的です。しかし、ああやってカラダひとつで全員がシンプルに最後まで徹底的にやり切ることができれば(それは『ああ、人間の体って鍛えたらあそこまでできるんだ』というレベルでなくてはならないのだと思いますが)、きっと何かを成し遂げることができるのではないでしょうか。
そんなことをふと考えた、モスクワの抽選会の夜でした。
組み分けや展望には触れずに結ぼうと思いますが、ハリルホジッチ監督はH組に入り「ハリルホジッチのHだ」とニヤリ。抽選前からHを予想されていたそうです。もちろんハリルホジッチのHで、大躍進を願っています。
ただ、ここモスクワに来るとやはり思うのは「ホンダのHでもある」ということです。来年はこの国で2つのHがぴったりと重なり合い、H組からHappyな結果が生まれるといいのですが…。
あのころは、どのおみやげ屋さんにもあった定番のホンダマトリョーシカがどこを探してもないこと、これが気がかりですが、来年の本大会を楽しみに待とう思います。
◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本サッカー協会やJリーグなどを担当している。

- 2018年サッカーW杯ロシア大会抽選会 抽選役を務めたディエゴ・マラドーナ氏(PNP・2017年12月1日撮影)

- サッカーW杯ロシア大会抽選会 あいさつするジャンニ・インファンティーノFIFA会長(左)とロシアのプーチン大統領(PNP・2017年12月1日撮影)



