<高校サッカー:鵬翔3-1立正大淞南>◇5日◇準々決勝◇フクアリ

 鵬翔(宮崎)が立正大淞南(島根)を下し、宮崎県勢初の4強入りを果たした。松崎博美監督(62)は昨年1月、最愛の1人息子の康博さんを34歳で亡くしており、つらい思いを知る選手は指揮官のために発奮。今大会に入り、同監督が「神がかり」と評してきた勢いそのままに、10年度大会4強の難敵をのみ込んだ。

 監督の思いが選手に乗り移った。8日は亡くなった康博さんの命日。「何かしてあげたい思いがあった」。国立行きで、小学校からサッカーをしてきた同校OBの長男の墓前に吉報を届けたかったという。この日、スタンドから家族が持つ遺影にも見守られた。

 指揮官は初の快挙に「(国立は)遠かった。行けると思わなかったので夢じゃないかと思ったが、宮崎の歴史を変えられて良かった」としみじみ。準決勝の星稜戦も天国から力を与えてくれるに違いない。【菊川光一】