その先には、夢の存在も見えてくる。「今も好きで参考にしている1人」というバルセロナ下部組織の“先輩”FWメッシは05年大会に18歳で出場し、優勝、得点王、MVPを総なめにした。久保は6月4日からの準々決勝まで勝ち進めば大会中に16歳になる。目標の「優勝」に到達すれば本家より2年早い計算だ。「日本を代表する選手だけでなく、世界トップレベルの選手になりたい」。そう語る15歳には無限の可能性が広がっている。【木下淳】

<久保と一問一答>

 -U-20W杯をどのような大会にしたいか

 久保 サッカーは運が味方するかしないか、のスポーツ。自分はこれまで何とか運を味方につけてきた。日本が5大会ぶりに出て注目度が高い中、結果を残せれば、またこっちに運が向いてくる。運を向かせるコツ? ないです(笑い)。

 -大会で自分に合格点をあげられる基準は

 久保 基準を作ってしまうと、それより上にいくことが少ない。最低限、シュートでもドリブルでもパスでも、周りと違うというか、誰が見てもすごいなと思われるプレーを見せたい。

 -体が大きくなった

 久保 ちっちゃいイメージを持たれるので。克服しようと頑張ってきた結果、今は170センチ、63キロ。身長は去年から7センチくらい伸びました。母親が食生活に本当に気を使ってくれるので本当に感謝しています。

 ◆久保建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、川崎市生まれ。2歳でサッカーを始め、11年に川崎FのU-10からバルセロナ下部組織カンテラへ。退団後の15年5月に東京U-15むさし加入。昨季は東京ユースに飛び級で昇格し、日本クラブユース選手権で史上初の中学生得点王に。世代別代表は、バルセロナ在籍中の15年にU-15インドネシア遠征で初招集。昨年11月のJ3長野戦でJリーグ最年少出場、今年4月のC大阪U-23戦で最年少得点。今春、都内の高校に進学。家族は両親と妹、弟。170センチ、63キロ。

 ◆日本のU-20W杯での主な個人得点記録 1大会最多は4得点で、97年のFW柳沢敦(鹿島)と03年のFW坂田大輔(横浜)が記録。複数大会で得点は、過去に2人で、97年1点、99年1点のFW永井雄一郎(浦和、カールスルーエ)と03年2点、05年1点のFW平山相太(国見、筑波大)が達成した。1試合2得点は97年にMF大野敏隆(柏)、03年にFW坂田大輔が記録(ハットトリックはなし)。

 ◆最年少 日本は前身大会を含めて過去8度出場し、15歳の選手が選出されたことはない。J2名古屋の風間監督や南(横浜FC)森本(川崎F)らが17歳でメンバー入りし、中田英寿氏や平山(仙台)香川(ドルトムント)らは18歳で出場している。