日本(FIFAランク40位)が、来年のW杯ロシア大会に出場しないハイチ(同48位)とやっとのことで引き分けた。チーム結成したばかりで3日前に来日し、2日間練習しただけの急造軍団にリードされあわや黒星の危機。終了間際に途中出場のMF香川真司(28=ドルトムント)のゴールで3-3として最悪の事態は逃れたが、テストした守備陣は崩壊。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は謝罪。空席の目立つ会場も重苦しいムードだった。

 空席の目立つ会場で日本は赤っ恥をかいた。「寄せ集め」と言っては失礼だが、この一戦のためだけに集まった格下ハイチに3失点。チケットは完売せず7割強の入り。最も沸いた瞬間が、終了間際のMF香川の同点弾では寂し過ぎる。ハリルホジッチ監督は「(前日に)サポーターに来てくださいと言った。私から謝罪したい。これは私の責任。いろんな意味で受け入れ難いものを見た」と謝罪した。

 2-0から3連続失点。後半33分に逆転されると、指揮官はスタッフを走らせFW武藤を投入。新戦力テストで先発を9人も入れ替え、交代枠6もフル活用したが後半は想定外。日程がきつく温存予定の海外組を投入せざるを得なかった。「就任して(東アジア杯をのぞく)28試合目で本当に、最も最悪な試合。私の監督人生でもこんなに悪い試合はなかった。失敗した試合。批判してください」と言った。

 相手はすでにW杯北中米カリブ海4次予選で敗退した。直前の中国での親善試合も中止。半年ぶりの試合で、最大の目標は5年後のW杯。ベンチの枠を余らせ試合に臨んだ19人の平均年齢は22・2歳と若い。連係も何もあったものではないはずだが、3発食らった。11月には欧州でブラジル、ベルギーとの対戦が待つ。「ブラジルとやったら3点ではなく10失点してしまう」と危機感を募らせた。

 特に守備陣のテストは大失敗。ズタズタにされた。特に、1失点目で相手に鋭い突破を許した遠藤については、配置ミスともいえる1ボランチの起用を相手に突かれた形。「まだ23人に絞るまでに時間はありますが、今日の23人とは全部違うメンバーになるかもしれない。もし今日のようなパフォーマンスなら」とまで言った。

 W杯まで8カ月しかない。「恥をさらしてしまった」と素直に言ったが、来月はブラジルとベルギー。恥の上塗りは避けたいところ。ただ、これでは不安は募るばかりだ。【八反誠】