9月を最後に日本代表から外れているメキシコ1部パチューカのMF本田圭佑(31)が24日に帰国し、千葉市内でのサッカー教室で、当然のように主力復帰を宣言した。招集外の立場で順序はまずメンバー入りだが、それをすっ飛ばし再び主力に返り咲くと反撃ののろしを上げた。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は同日に離日し、自宅のあるフランスへ。来年、スタッフをメキシコに派遣し、本田を見極めると明かした。

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 本田らしい反攻宣言だった。10月、11月と日本代表から外れている。立場はベンチやベンチ外どころか招集外。にもかかわらず、かつての主力という立場で来年のW杯(ワールドカップ)ロシア大会に行くと宣言した。

 「ロシアでのW杯ということもありますし。皆さん覚えてるか忘れてるか分からないですけど、4年間、一応あそこに住んでいたんで。そんな日本人は、なかなかいない。必ずアドバンテージになる。それはベンチでも連れて行けとか、そんな弱気なことを言っているわけではなく。いろんなアドバンテージを、本当に、もたらすことができると思っていますし」

 昨年11月に先発の座を奪われて以降、基本控えで、その後外れた。だが、まずメンバー復帰からという考えはない。自らにその価値があると信じるからこそ、半年で主力の座を奪い取る覚悟だ。決めるのは“すれ違い”を象徴するかのように、本田帰国の約4時間半後に同じ成田空港から離日したハリルホジッチ監督。それも分かっている。「自分が、絶対にこれは選ばなきゃいけないなと思わせる活躍をしないと」「もちろんピッチで回答しないと」「年明けてからパチューカに戻ってしっかりやりたい」とアピールを誓った。

 10年から4年間、CSKAモスクワでプレーした。コロンビアとの初戦の会場サランスクでもプレー経験がある。早くからベースキャンプ地選びで日本協会に知識を伝えていたほど。ここでも誰にもまねできないものを持っている。

 サッカー教室の最後に子どもたちに目標を宣言させた上で語り掛けた。「何で日本代表で活躍したいの? みんなサッカーが好きだからじゃないの?」と。この苦境で問われるのは本質。本田は本当にサッカーが好きなのか? ここからはそれが一番大事。18年はそんな年になる。【八反誠】