既に1次リーグ突破を決めていた森保ジャパンが、3連勝でB組を首位通過した。東京五輪世代のU-21日本代表は北朝鮮に3-1で勝利。森保一監督(49)が第2戦のタイ戦から先発を総入れ替えする大胆布陣で臨む中、チーム唯一の高校生MF伊藤洋輝(18=ジュビロ磐田)が、2アシストで期待に応えた。19日の準々決勝でA組2位のウズベキスタンと対戦する。

 スタンドがもやでかすむほど視界の悪い中、伊藤にはハッキリと道筋が見えていた。前半32分、左約25メートルでFKを獲得。ゴール前ファーサイドに狙いを定めた。左足で送った完璧なボールを、DF柳が押し込んで先制。同43分には中盤から前線まで駆け上がり、再びアシストを記録した。初先発のチーム最年少が、堂々とした森保ジャパンデビューを飾った。

 「1点取りたかったけど、2点目のアシストは質のいいボールが出せた。FKはファーサイドがフリーだったので、GKが出られないところを狙っていこうと思った。シンプルに自分の良さが出せた」

 レジェンド仕込みのFKを見せた。188センチの大型ボランチ。昨季高3で磐田とプロ契約を締結し、トップチームに同行。伊藤と同じ左利きの名波監督やMF中村俊輔から直々に指導を受け、期待は大きい。キッカーは「ユースの時にちょっと蹴ったぐらい」というが「居残りでよく名波さんが付き合ってくれて。『いろんな(キックの)球種を蹴れるようになれよ』と言われている」。森保監督も「本人がキックに自信あると言っていたので、その気持ちに託した」と認める左足で勝利に導いた。

 これで無傷の3連勝。B組首位通過を決め、準々決勝ではウズベキスタンと対戦する。18歳は「今日はアピールしないと、という気持ちだった。次は頭からでも途中からでも、もっと良さを出せたら」。次々と新星が誕生する森保ジャパン。試練を1つずつ乗り越え、中国の地で確実に成長を遂げている。【小杉舞】