国際サッカー連盟(FIFA)は16日にコロンビアのボゴタで理事会を開き、6月開幕のW杯(ワールドカップ)ロシア大会で「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」と称する映像確認の審判員を採用すると決めた。86年大会のアルゼンチン代表マラドーナによる「神の手」ゴールのような明らかな誤審をなくすため、いわゆるビデオ判定を導入。一方で判定のために試合が止まるなど、賛否両論ある制度が最高峰の舞台にどう影響を与えるか注目される。

 ◆神の手 86年メキシコ大会準々決勝でアルゼンチン代表FWマラドーナが「神の手ゴール」で、チームを準決勝に導いた。イングランド戦の後半6分にクリアボールを相手GKと競り合った時に左手で先制点を奪取。主審が見逃したため、ゴールが認められた。

 ◆PK判定 14年ブラジル大会開幕戦、ブラジル-クロアチアで、ブラジル代表FWフレジが、ペナルティーエリア内で相手DFに倒されたとして、西村主審がPK判定した。フレジは自ら倒れたようにも見えると、世界中で疑問の声があがった。