【リエージュ(ベルギー)25日】日本代表FW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)が、ハリルジャパンの「最小兵」救世主の再現を狙う。合宿7日目の練習でも、164センチの中島の存在感はひときわ大きかった。W杯(ワールドカップ)前回大会、ハリルホジッチ監督が率いたアルジェリア代表の最小兵が、中島と同じ164センチのFWアブデルムメン・ジャブ。背番号も今回の中島と同じ18番だった。ジャブは本大会で韓国戦、ドイツ戦と2得点し、同国史上初の16強入りに貢献。中島も指揮官の愛弟子として飛躍の再現を狙う。

 これまでの日本代表としても一番小さい。93年のJリーグ創設以降では鹿島で活躍したMF本田泰人の166センチを更新。W杯戦士としても、最小兵だったMF伊東輝悦(98年)とMF森島寛晃(98、02年)の168センチを4センチも更新する。リオ五輪代表でも、過去6大会の五輪史上で日本の最小選手。小柄な体格を生かして世界とも戦ってきた。

 中島自身は「小さいのは気にしていない」とキッパリ。所属のポルトガルリーグでも「アフリカの選手が多い。(世界相手では)普通のこと」という。当たられないようにポジショニングを意識し、フリーになる回数が増加。代表デビュー戦の23日マリ戦で挙げた初得点の形も、ペナルティーエリア内でワンタッチで決めたゴールだった。

 積極的な仕掛けや個人技も持ち味だが、体格差を苦にしないため、ポルトガルで磨いた位置取りが光った得点。「簡単なゴールだったけど、あの位置にいられることが良かった。ポルトガルで意識していることがいい方向に出た。ここ(代表)に来て良かった」。次のアピールの場は明日27日ウクライナ戦。確かな実力を見せつけて、ハリルジャパンの小さくて大きい秘密兵器になる。【小杉舞】