なでしこジャパン(FIFAランク11位)が、19年女子W杯(ワールドカップ)フランス大会予選を兼ねたアジア杯の1次リーグ第2戦の韓国(同16位)戦を0-0で引き分け、8大会連続8度目のW杯出場権獲得は次戦以降に持ち越しとなった。序盤から韓国の猛攻に耐える展開が続き、攻撃の形が作れなかった。13日にW杯出場権と1次リーグ突破をかけ、オーストラリア(同6位)戦に臨む。

 90分間を戦い抜いたなでしこが、次々とピッチに膝をついた。勝ち点3でW杯フランス大会の出場権を得る戦い。その目的に向かい、強い気持ちを持って臨んだ日韓戦だった。だが相手の速いプレスの前にボールをつなぐことができず、最後まで攻撃の形を作れずにタイムアップを迎えた。

 序盤はショートパスとダイレクトプレーを織り交ぜながら攻める韓国の攻撃を真正面から受けた。前半26分には相手のエースFWチ・ソヨンのパスをゴール前で受けたMFイ・ミナがシュート。ゴール上に外れたが、この2人を起点に決定機を何度も作られた。

 徐々に落ち着きを取り戻した日本も反撃に出る。右タッチライン際に張っていたMF川澄とMF長谷川がピッチ中央まで入ってボールを引き出し、リズムをつくる。一方で前半40分には相手の左肘を顔面に受けたFW岩渕が鼻上から出血して一時退場。意地と意地がぶつかり合った。

 勝ち点1を分け合い、B組のW杯出場権と1次リーグ突破の争いは混戦模様だ。同組の世界ランク最上位のオーストラリアは同最下位のベトナムに勝利することが濃厚で、その場合は日本とオーストラリアが勝ち点4で並ぶ。オーストラリアとの1次リーグ最終戦を控える日本はこの日と同様、勝てばW杯出場権獲得と突破が決まるが、引き分け以下となると同時刻に開始する韓国-ベトナム戦の結果を待つことになる。オーストラリア戦はなでしこの底力が試される。【松尾幸之介】