サッカーワールドカップ・ロシア大会の日本代表監督に就任した西野朗新監督(63)が12日、都内のJFAハウスで会見を開いた。西野監督は、田嶋幸三会長(60)から新監督就任の打診を受けたのが3月末だったと明かした上で、解任されたバヒド・ハリルホジッチ前監督(65)とともに、技術委員長として解任をも覚悟していたことを明かした。

 西野監督は「ハリルホジッチ監督を精いっぱい、サポートしていきたいという気持ちでいっぱいだった。一方で(前監督と選手の)ギャップの中で、あまり良い状況じゃなかった(ベルギー)遠征を踏まえて、これから2カ月でどう、劇的に変えていくのかを考えていたところ」と、後任の打診を受けた段階では、ハリルホジッチ前監督を技術委員長としてサポートすることに、精励する意欲が強かったと強調した。

 その上で「今回のこういう決断に対して、自分が(後任を)要求された。戸惑いが、もちろんあった。技術委員長としての立場を精いっぱいやったつもりだったが、足りなかった部分を強く感じていますし、監督同様ということになっても、という思いもあっていましたし…」とクビ覚悟だったことも明かした。

 そして「そういう英断の中で、こういう決断(後任の監督への打診)をしてもらって最後、自分の中で責任を、この大会(ワールドカップロシア大会)で…というのを持つまでは、要請に関しては戸惑いを持っていた。ただ、こういう事態なので、自分がという思いで最後は引き受けさせてもらいました」と就任までの葛藤を語った。

 質疑応答では、ハリルホジッチ前監督が重視し、得意とした対戦相手の徹底したスカウティングの成果を引き継ぐか? と質問が出た。西野監督は「本大会に向けての(対戦相手の)3チームのスカウティング、分析は(前監督は)強く求めていた。蓄積はあるし、間違いなくベースになると思うが、この1カ月の動向、チームの準備は早く進めないといけない。急激に変えることも予想される。テクニカルスタッフの分析能力は強く要求していく」と基本的には引き継ぎ、アップデートしていく考えを示した。

 選考に関して、ハリルホジッチ前監督が大枠で選んだ選手を中心に考えるのか、全く新しい選手で代表を組み立てるのかと聞かれると「(選考は)出来ればフラットなところで考えたいが(ハリルホジッチ前)監督のもとでリストを考えたところでベースにして考えていくのがベストだと思う。新しい選手というのも考えたいところはありますが、チームを作っていく上で(前監督が構想した)ラージのメンバーをベースに考えて生きたい」と説明した。

 代表メンバー発表の時期、どう発表するかについては「5月14日にラージ(のメンバー)を、キャンプに入るメンバーを直前に決めないといけない。5月30日のガーナ戦の後、23人プラスアルファをどう考えるか…正確にはここでお伝えできない」と答えた。【村上幸将】