【ベロオリゾンテ(ブラジル)23日(日本時間24日)=岡崎悠利】18歳にチームの命運は託された-。南米選手権に出場している日本代表(FIFAランキング28位)は、決勝トーナメント(8強)進出をかけてエクアドル(同60位)と日本時間25日午前8時から対戦する。

休養十分のMF久保建英(18=レアル・マドリード)が満を持して先発出場する見通しだ。勝てば突破が決まる中、攻撃の核として勝ち点3を取りにいく。

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勝利へ18歳の準備が整った。短い時間の出場で終えたウルグアイ戦から中3日、久保は連日キレのある動きでコンディションを整えてきた。チリ戦に続く先発の見通しだ。森保監督も「チリ戦でのパフォーマンスを見てもらえたと思う。十分スタメンで出るだけの力を持っている」と厚い信頼を口にした。

前日までに他組の全日程が終了。勝利が決勝トーナメント進出の条件となった。得点なしに先はない。チリ戦ではゴールに迫るプレーを見せたが、今度は“あと1歩”は許されない。攻撃陣には大きな重圧がかかる。報道陣に対して「明日でお願いします」と丁寧に断った。すべては、ピッチで白黒つけた後に語る。

ウルグアイ戦で2得点したMF三好との共闘になる。かつて三好は「もし自分が監督だったら、久保を取りたい」と話すなど、ともに認め合う間柄だ。17年U-20(20歳以下)W杯韓国大会から互いにプレーを間近で見てきたからこそ、あうんの呼吸もある。さらに左サイドを切り裂くMF中島も加わって、現時点で最強といえる攻撃陣で臨む。

日本代表は南米大陸での国際Aマッチで、ここまで3分け9敗と白星なし。歴史的勝利を挙げれば、準々決勝で開催国ブラジルとの対戦が待つ。東京五輪に向けたレベルアップのためにもこの上ないチャンスだ。久保は以前に「1試合1試合、たとえ最後になっても後悔のないようにやっている」と話したが、勝ちきった先にはカナリア軍団との真剣勝負が用意されている。

エクアドルにも勝利で自力突破の可能性が残されたため、正真正銘のガチンコ勝負になる。ここまで2試合で6失点と不安を残す守備陣を楽にするためにも、18歳にかかる期待と重圧は大きい。日本人で初めて世界屈指の名門Rマドリードへの加入が発表され、世界からも注目される。プレッシャーをはね返し続けてきた日本の至宝が、世界基準であることを示す。