【ヤンゴン(ミャンマー)10日】サッカー日本代表(FIFAランク33位)のMF久保建英(18=マジョルカ)が、最年少記録とともに22年W杯カタール大会への第1歩を刻んだ。

ミャンマー(同135位)戦で後半36分から途中出場。風間八宏の19歳67日を39年ぶりに更新する18歳98日でのW杯予選出場となった。短いプレー時間でチャンスを演出するなど、今後の代表史上最年少ゴールへの期待もふくらませた。試合はMF中島翔哉(ポルト)とMF南野拓実(ザルツブルク)の得点で2-0で勝ち、初戦を白星で飾った。

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鋭い眼光で、W杯へ続くピッチに久保が立った。後半35分すぎ、ウオーミングアップを終えて小走りでベンチへ。森保監督に肩に手を回されて指示を仰ぐと、いつものように太もも裏を伸ばすストレッチをして軽やかに走りだした。W杯予選で史上初となる18歳での出場。試合後は「出られて本当によかった。次もチャンスがあったら」と話した。22年W杯への第1歩は快記録とともに刻まれた。

ファーストタッチでいきなり見せた。後方からのパスをかかとでダイレクト。視界に入っていないはずの後方にできていたスペースへ出し、走るDF酒井に合わせた。持ち前の繊細な技は、大雨で荒れたラフな芝も苦にしなかった。「自分が楽しみつつ、なおかつチームの助けになれば」という言葉通り、らしさ全開で攻撃を活性化した。

5日のパラグアイ戦ではMF堂安に、この日はMF中島に代わって出場。激しいポジション争いの中にある2列目で、確かな存在感を放っている。クラブでもマジョルカに期限付き移籍したばかり。主力の座を勝ち取るのはこれからだ。「いろんなところで競争ができてうれしいので。これから、自分が残っていかないといけない」。次々と目の前に現れる挑戦のステージが久保を奮い立たせる。

心に刻んでいる言葉がある。「いつが最後になるかわからない」。かつてバルセロナでプレーした元スペイン代表DFプジョルの言葉だという。「いつ最後になってもいいように。1試合1試合、そういう気持ちでプレーしてきた」。過去について語ることも、自身の将来について語ることもしない。18歳にして、大きな覚悟がある。常に今の自分の限界に挑み続け、誰よりも早くW杯への道にたどり着いた。

この日は得点よりも安定して試合を押し切ることが求められる時間帯だったこともあり、シュートはなし。史上最年少ゴールは次戦となる10月10日のホーム、モンゴル戦(埼玉スタジアム)以降にお預けとなった。「これからどんどん練習や試合でいいプレーをして、監督に認めてもらえる選手になりたい」。飾らない言葉に、確かな自信がみなぎった。幕を開けた森保ジャパンの道は、俊英の歴史とともにある。

▼日本のW杯予選最年少出場記録 MF久保が10日のW杯アジア2次予選ミャンマー戦に後半36分から出場。18歳98日でのW杯予選出場は、MF風間八宏(筑波大)が80年に記録した19歳67日を更新する日本の最年少記録となった。W杯の本大会を含めると、MF小野伸二(浦和)が98年フランス大会のジャマイカ戦で記録した18歳272日が最年少となっている。