東京五輪に向け、本番さながらのリハーサルを行う。日本サッカー協会は29日、長崎県内で会見を行い、来年1月8日開幕のU-23アジア選手権(タイ)に臨む同日本代表を発表した。

28日にはU-22ジャマイカ代表との国際親善試合キリンチャレンジ杯(トラスタ)で9-0の大勝。2得点したFW旗手ら5人が継続して招集された。森保一監督は「たとえ理想的な戦い方でなかったとしてもタフに戦えるように、勝負強さを考えてもらいたい」とねらいを口にした。

1月のタイは最高気温の平均が約31度。平均湿度も約60%を超え、酷暑が避けられない東京五輪を想定するにはうってつけだ。1次リーグは中2日で試合が続き、スケジュールもほぼ同じ。森保監督は「五輪に向けてイメージしやすい。最大6試合をタイトに戦わないといけない」と7カ月後に迫った本大会を重ねた。

23人のうち海外組はMF食野の1人。指揮官は「理想はあるが、現実的にはそうでないものもある。我々は現実の中で戦わなければならない」と話した。ただ悲観はない。「全体的なレベルアップをする」。16年リオデジャネイロ五輪では、エース格と目されたFW久保裕也を招集できない事態に陥った。4年を経てMF堂安、冨安ら主力に海外組が増え、自国五輪でより厳しい“現実”を突きつけられる可能性もゼロではない。1人でも多くの選手を育て、不測の事態に備える。

大会後の2月には欧州視察を行う。招集できなかった五輪世代を含めた選手の状態は、自らの目で確かめる予定だ。まずは現条件のベストメンバーで、五輪前最後の公式戦に向かう。【岡崎悠利】