日本代表の専用施設で初めての代表活動が行われている。千葉・幕張に完成した「JFA夢フィールド」で行われているU-19(19歳以下)日本代表の候補合宿(11~15日)に13日、Jリーグに出場していた一部メンバーが合流。

選手が顔をそろえた。A代表にも招集されているMF久保建英(19=マジョルカ)と同じパリ・オリンピック(五輪)世代。A代表と東京五輪代表の森保一兼任監督(51)も見守る中、近くには日本協会も共同で運営する温泉施設(15日オープン)もある新しい“虎の穴”でようやく21年の本格スタートを切った。

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天然芝2面と人工芝2面、クラブハウスまである。さらに、15日には一般向けの温泉施設までオープンする。ようやく誕生した日本代表の“虎の穴”で、パリ五輪世代が動きだした。合宿3日目に、FW染野(鹿島)やFW斉藤(横浜FC)らが合流した。全員に義務付けられたPCR検査の結果待ちでホテル待機となった一部選手を除く27人で、雨の中約1時間の調整を行った。

3月に完成した「夢フィールド」だが、新型コロナウイルス感染拡大で全ての代表活動が止まっていたため、年代別を含めて日本代表が使用するのはこれが初めて。A代表ではなく、候補ではあるが、記念すべき代表の第1歩。これまで日本代表は特定の練習場を持たず、活動のたびに試合会場周辺の施設を使用してきた。新拠点には森保監督ら代表スタッフが常駐し、代表活動に加え、チーム合流前の海外組の調整拠点としても使用される見通しだ。

早速クラブハウス2階から森保監督が練習をチェックした。常にA代表スタッフの目が届く環境は、若い選手にとって大きな刺激になる。MF荒木(鹿島)は「室内の環境もいいし、ピッチの環境も非常にいい。100%の力を出さなきゃいけない状況」と話した。チームは10月のU-19アジア選手権(ウズベキスタン)に向け調整する。そこで上位4チームに与えられる出場権を得て、21年のU-20W杯インドネシア大会に向かう青写真を描く。その先に、パリの五輪がある。【杉山理紗】

○…11日にJ1デビューを果たしたFW小田裕太郎(神戸)は「影山監督も競争というワードを出していた。この合宿で自分の良さをアピールしたい」と意気込んだ。デビュー戦となった大分戦(昭和電ド)では15分の出場ながらシュート3本を放ち持ち味を発揮。「パス1つの精度やトラップの置きどころなど、日々の練習でアンドレス(イニエスタ)や古橋くんから学んでいる。代表でも良さを少しずつ出せれば」と話した。