国際親善試合アルゼンチン戦(26日・味スタ、29日・ミクスタ)に臨む、東京五輪世代のU-24日本代表に初招集されたGK沖悠哉(21=鹿島アントラーズ)が24日、オンライン取材に応じた。

昨季クラブでレギュラーの座を確立させ、一気に評価を上げた。GKクォン、昨季引退した曽ケ端準氏ら、実績ある選手らとの競争で定位置を奪った。それでも21歳の新守護神は「確実に自信は持つことができたけれど、それが過信に変わらないよう、ずっと意識している。見えを張ったプレーをしないように気をつけている」と、おごることなく地道に取り組んでいる。

昨季の最終節セレッソ大阪戦は、ACL出場権をかけた直接対決となった。鹿島は後半ロスタイムの猛攻も実らず、1-1で引き分けてACL出場を逃し、沖はピッチ上で涙を流した。

苦い記憶だが、あの試合から持ち帰ったものがあるという。「ラストプレーで(相手GK)キム・ジンヒョン選手が防いで、鹿島はACL出場を逃した。GKにとって大事なのはこれかと、あのとき思えた。これから先の自分にとっての課題だと思った」。次々と放たれるシュートをすべてはじき返していった姿を、鮮明に覚えている。

サッカーとは、失点しなければ負けることのない競技。GKという役割の重要性を、身をもって実感した。「昨年引退したソガさん(曽ケ端氏)やスンテ選手と一緒にやっていて、何が違うかというと、1番は存在感。トップの選手と試合をしていて、試合を決めるのはGKだと思う」。沖はそれを“存在感”という言葉で表現した。

一方で「存在感への答えはないと思う」とも。「どうアプローチするかが大事。これから先ずっと自分にとっての課題だと思っているので、向き合いながら成長していきたい」。存在感のあるGKになるために、まずはU-24日本代表で結果を残す。