日本はミスによる失点が響き、敵地で勝ち点3を奪えなかった。後半26分に先制を許し、逆転できなかった。

試合後、取材に応じたDF吉田麻也主将の一問一答は以下の通り。

-率直な感想と敗因は

吉田 我慢勝負だったと思う。どっちに転んでもおかしくない試合だったが、ワンチャンスをものにしたサウジが勝ちに値した。敗因としては前半いい形で折り返し、後半畳み掛けたかったけど、なかなかいい形にクリエイトすることができなかったと思う。

-失点シーンは

吉田 まずスタジアムがかなりの数が入って声が通らず、なかなか指示や意思疎通ができなかったが、お互いやることは理解していた。前にチャレンジしてボールを失うのと、横パスや後ろへのパスがミスになるのはピンチを招く確率が全然違う。失い方があのシーンだけじゃなく良くなかったと後半特に感じた。前半はうまく出来ていたと思う。

-厚みのある攻撃ではなかった。具体的改善点は

吉田 基本的には攻撃と守備は2つに分けて考えていない。守備からいいゴールが始まる。前線のチェイスによっていい守備が生まれる。攻撃に怖さが足りないと後ろから感じたけど、FWだけのせいではない。改善点としてはもうちょっとボールを保持して相手を走らせて崩れるタイミングを見定めるのも大事。遅攻、速攻をうまく使い分けたかった。

-ロッカールームでの雰囲気などは

吉田 もちろんいい雰囲気ではない。ただ、ミスは起こる。僕自身も代表でもチームでもミスをしてきた。時にはチームに迷惑を掛けることも、救うこともあったし、それもサッカー。それを繰り返せば自分のポジションを失う。そういう場所、代表というのは。ただ、ここから学ばないといけないし、ミスを繰り返してもいけない。それは個人としてもチームとしても一緒。早く切り替えて、いいチームはここから盛り返せるチームだと思う。ホームでしっかりオーストラリア戦でいいゲームをしないといけない。前回(のW杯最終予選)も2敗はしている。2敗目は予選突破を決めた後だったけど、つまり2敗までは出来るとポジティブに考えてやっていかないといけない。

-試合後「結果が出なかった時に責任を取る」というコメントをしていた。その真意とは

吉田 サッカーの監督やダイレクターは結果が出ないといつ首が飛んでもおかしくない仕事。選手は契約に守られているところもある。ただ代表チームに関してはそういうものはない。監督が変われば、組織も変われば、選手も変わる。代表でもチームでも起こり得ること。もし予選敗退してこのままチームの活動が終わることになれば、おそらくがらっと入れ替わることになる。自分自身もそこが区切り。そんなふがいない結果になってしまったらすっぱりやめようと思っている。

-試合後、サウジアラビアのファンからあおられて怒っていた。何があったのか

吉田 差別的なジェスチャーがあった。彼らは耐え忍んでチャンスをものにして勝った。勝つに値するが、受け入れられないものは受け入れられない。前回の予選の時もそうだったので、許し難いと思った。僕らはアジア杯で勝っているし、前回ホームで勝ってる。その時も決して自分たちはリスペクトを欠いた行為はなかった。日本のファンもなかった。非常に残念だった。

-1位での予選突破は厳しい状況

吉田 この負けで2位に入ればいいやというマインドでいる。1位で行っても2位で行ってもW杯はW杯。2敗したが、前回も2敗はしている。まだ7試合ある。僕らは巻き返さないといけないけど、オーストラリア、サウジも追われる立場として、プレッシャーは常にある。可能性としてはまったくゼロになったわけではなく、まだまだ巻き返せるチャンスはある。W杯本戦と予選は別もの。そのためには予選は通らないと。そこが今僕らが直面している問題。向き合って結果を1個1個つかみ取る。ここから大ジャンプはない。残り7試合、オーストラリア戦から1つ1つ丁寧に勝っていかないといけない。

-今日の試合でのMF柴崎のプレーについて

吉田 盛り返せるぞと話をした。僕もしょっちゅうミスする選手だったので気持ちはわかるし、本人も非常に責任を感じていると思うけど、大事なのはこのミスからどう立ち上がるか。サッカーはミスが起こるスポーツ。この7試合で(柴崎)岳自身が個人としてチームにもう1度貢献できるかどうか、チームとして踏ん張って巻き返せるかどうかは試されているところ。

-暑さは想定以上だったか

吉田 もう少し気温は落ちるかなと思っていた。6万人の熱気か、風が通らなかったり。思ったより湿度あり、もわっとした環境だった。

-パフォーマンスへの暑さの影響は

吉田 後半、相手も落ちるかなと正直思っていたが、意外と相手が落ちなかった。リズムをつかまれて相手を走らせることができなかった。