日本代表の森保一監督(53)は2勝2敗のB組4位という現状を「土俵際の戦い」と表現していた。11月の敵地2連戦の初戦は4連敗中でB組最下位のベトナムが相手。FIFAランキングもベトナムが98位で、28位の日本から見れば格下ではあるが、アウェーでの一戦は文字通り「相手の土俵」。油断はならない。

近年のベトナムはサポーターの後押しもあって、ホームの国際Aマッチで好成績を残している。今回の会場となるミーディン国立競技場では16年以降、14試合9勝4分け1敗。無観客で行われた9月7日のW杯最終予選オーストラリア戦に0-1で競り負けるまで13戦無敗を誇っていた。17年以降は8試合が無失点で、複数失点は1度もない。

もちろん、欧州や南米の強豪国との対戦がないがゆえの記録。だが、無敗が止まったオーストラリア戦も屈強な相手に奮闘し、持ち味の堅守と速攻を武器に何度もチャンスをつくった。シュート数はオーストラリアの倍近く上回る11本。相手の枠内シュートも1本に抑えた。結果的に0-1で競り負けたものの、ホームでの粘り強さをあらためて示した。19年11月のW杯2次予選では強敵UAEに1-0で完封勝ちするなど、G組2位で史上初の最終予選進出を決めた。

ベトナムでは国民的スポーツとしてサッカー人気が高く、サポーターも熱狂的。今回の試合は収容人数の30%となる約1万2000人の入場が認められている。最終予選で初となるホームでの有観客試合に、DFクエ・ゴク・ハイは「ホームでファンがいるのは自信を持てる要素になる」と意気込んでいる。

 

<ベトナムのミーディン国立競技場での戦績(16年以降)>

16年3月24日 W杯予選 4○1 台湾

16年11月8日 親善試合 3○2 インドネシア

16年12月7日 親善試合 2△2 インドネシア

17年10月10日 ア杯予選 5○0 カンボジア

17年11月14日 ア杯予選 0△0 アフガニスタン

18年11月16日 ※AFF 2○0 マレーシア

18年11月24日 ※AFF 3○0 カンボジア

18年12月6日 ※AFF 2○1 フィリピン

18年12月15日 ※AFF 1○0 マレーシア

18年12月25日 親善試合 1△1 北朝鮮

19年10月10日 W杯予選 1○0 マレーシア

19年11月14日 W杯予選 1○0 UAE

19年11月19日 W杯予選 0△0 タイ

21年9月7日 W杯予選 0●1 オーストラリア

21年11月11日 W杯予選  ?  日本

※AFFは東南アジア選手権