9カ月ぶり日本代表復帰のスコットランド1部セルティックFW古橋亨梧(28)が12日、千葉県内で始まった合宿にチーム3冠、得点王、MVPの偉業を引っ提げ合流した。

昨冬のワールドカップ(W杯)カタール大会は落選も「この経験は絶対に強くなれる」とノートにつづり、欧州主要1部リーグで日本人初の最多スコアラーに成長。三笘薫、久保建英、鎌田大地、伊東純也ら各国の歴代トップ勢と、キリンチャレンジ杯エルサルバドル戦(15日、豊田ス)ペルー戦(20日、パナスタ)で最強攻撃陣を形成する。古橋は日刊スポーツの単独取材に応じ、主力組との融合と3年後のW杯への覚悟も打ち明けた。【取材・構成=岩田千代巳、岡崎悠利】

今季の活躍はすさまじかった。リーグ戦は36戦27発で得点王。チームをトレブル(3冠)に導き、MVPなど個人賞も総なめに。充実の代表復帰に「率直にうれしい」と謙虚に語った。

昨年11月1日、失意の底に沈んだ。W杯メンバーに名前はなかった。発表前最後のエクアドル戦(同9月)で先発しながら-。欧州チャンピオンズリーグ(CL)前日、いざレアル・マドリードに挑む男の落選だった。

古橋 アウェーの移動日で(落胆をスペインまで)持ち込めないと分かっていた。でも悔しいし。人前では笑顔でも、作り笑いというか…。バスに乗った時、みんなが“このチームでゴールを決めれば絶対に大丈夫だから”と言ってくれたことが心の支えになった。

もう1つのよりどころは「ポジティブノート」だった。ネガティブな出来事もポジティブに置き換えて記すノート。昨年1月から毎日シャワーを浴びる前、寝る前につづるのが日課だ。

夢のW杯を逃した夜はさすがに詰まったが、現実から逃げず「この経験は絶対に強くなれる」と書いた。W杯は純粋に日本を応援した。「決まったことに文句を言っても仕方ないし、自分が弱くなってしまうだけ」。日本のドイツ、スペイン連破に触発されて、リーグ再開の12月に4戦連発。落選後に27点中19点を積み上げ、欧州主要1部Lで日本人初の得点王に輝いた。

古橋 課題を見つけ、ひたすら走り続けたら、一気に壁を乗り越えた感覚。今だから言えることだけど、いい経験ができたと思います。より強くなれて、よりたくさんの人に信頼してもらえて、前に進めたかな。

27点の内訳は右足14、左足12、頭1と万能。50メートル走5秒8の健脚は欧州でも脅威となった。待望論が沸騰した中で9カ月ぶり代表。三笘、久保、鎌田、伊東ら各国の今季日本人最多得点者との連係も思い描いた。

古橋 ゼロトップになるかもしれないし、体を張ったポストプレーもあるかもしれない。セルティック以上に、ボールを共有して心地よい距離感でプレーできれば、どんな相手でも狭いエリアでも崩せると思う。

3年後のW杯は「今はあまり考えていないけど」と前置きした上で、信念を持って答えた。

古橋 チャンスはあると思っている。次は絶対プレーして、前回の悔しい思いをいい思いに変えられる選手に、1秒、1回のプレーで流れを変える選手になりたい。結果を残し続けた先に素晴らしい未来が待っていると思う。ゴールという形で恩返しできたら。

31歳で迎える26年W杯へ古橋の挑戦が始まった。

◆日本代表での古橋 国際Aマッチ通算16試合3得点。神戸時代の19年11月に初招集され、同19日の国際親善試合ベネズエラ戦で後半開始から右サイドMFとして代表デビュー。出場3試合目の21年3月30日のW杯アジア2次予選モンゴル戦で途中出場から初ゴールを含む2得点を挙げた。セルティック移籍後は10試合無得点。最後の出場はW杯カタール大会のメンバー発表直前の22年9月27日の親善試合エクアドル戦で、先発して前半のみで退いた。

■合宿初日、いきなり主力と連係確認

昨年9月以来の日本代表ジャージーに袖を通した古橋が、いきなり主力組と連係を確かめた。変則ミニゲームで前線3枚の中央に入り、左の三笘、右の伊東とプレー。中盤の久保、鎌田とも絡んだ。古橋は「2人(伊東、三笘)がボールを持てば何か起こると狭いゲームでも感じることができている。スペースを空けながら仕留められるようにしたい」とイメージした。