AFC女子アジアカップで2大会ぶり3度目の優勝を飾った日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランキング8位)のニルス・ニールセン監督(54)と佐々木則夫女子委員長(67)が23日、東京都内のJFAハウスで報告会見を行った。
21日の決勝で開催国のオーストラリアにMF浜野まいか(21=トットナム)の決勝ゴールで1-0で勝利した。6試合で29得点1失点と圧倒的な強さを発揮し、上位6チームに与えられた来年6月のワールドカップ(W杯)ブラジル大会への出場権もあっさり獲得した。
凱旋(がいせん)したニールセン監督は「自分たちは正しい道を進んでいるのかなと思う。決勝戦に関して言えば、自分たちのやりたいことができない時間もあり、厳しいゲームではありました。本当に強い覚悟、決意を持って素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」と選手たちをたたえた。
その上で厳しいゲームを経験したことは収穫だった。「W杯を考えると、自分たちの良さを出せない相手は今後出てくる可能性があるので、その中で自分たちのスタイルを出していくのか、流れを引き寄せるのかというのは大事になってくる」と述べた。
招集した全選手を出場させたことも注目すべき点だ。選手を実戦の中で成長させ、日本代表への誇りや意欲を高める指揮官のマネジメント力の高さが光る。
「日本の選手は非常に才能があるっていうことは分かっていた。それをいつ出せるのかっていうことが重要になってくるし、あとは結果をしっかりつかむということが今回はできたので、選手にもより自信になったのかなと思っています」
決勝戦で藤野あおばと藤野まいかの左右ウイングがポジションを入れ替え、試合の時間帯や状況に応じて選手が立ち位置を変える場面が目に付いたが、これは監督の指示ではなく、選手たちが自主的にやっているものだと説明。「(決勝の大声援で)なかなか声も届かない中で選手たちが考えて、勇気を持って替えたというのは本当に素晴らしいかなと思います」とその決断をほめた。
また、佐々木委員長は「アジアの中ではランキングのトップを走っている中で優勝して当たり前だろうという方々もいらっしゃいますけども、そうは言ってもなかなかこういった大会で優勝を達成することはできなかった。今回しっかり勝ち抜いたということ、そしてこのカップを日本に持ってこれたということは、これからのW杯においても勢いがついてくるんじゃないかと思います」と話し、スタッフも含めたチーム全体の功績だと称えた。
今後は4月にアメリカ代表とのアウェー3連戦を予定している。また、9月には名古屋でアジア競技大会が開かれる。これは国際Aマッチ期間ではないため欧州組は呼べず、国内組で構成されたメンバーとなる。ニールセン監督は「まだWEリーグには非常にタレント性のある選手がいるので、キャンプなどを通じてWEリーグの選手も見いだしていきたい」と選手の発掘にも尽力していく構えだ。
「いろんなことが学べた大会だった。細かいところにこだわり、色々な場面に適応し、一つ一つのプレーを大切にすることができた。次のフェーズに関してですけども、まだまだ向上していかなければいけないところはたくさんあります。選手のポテンシャルは高いんですけど、ポテンシャルだけでは十分ではないので、それをうまく掛け合わせて素晴らしいものを作っていくことが必要かなと思います」
就任から1年少しでシービリーブス杯に続く2つ目の国際主要タイトルをもたらしたデンマーク人指揮官。目指すは来年のW杯優勝とあって今回の優勝に満足することなく、これを一つの踏み台とし、更なる成長を誓っていた。

