【ダンバートン(英国)25日(日本時間26日)=佐藤成】日本代表GK鈴木彩艶(23=パルマ)が世界大会仕様に進化して戻ってきた。昨年11月に左手中指と舟状骨の複雑骨折の重傷を負った若き守護神は、約4カ月のリハビリ期間を有効活用。W杯北中米大会での活躍を見据えてパワーアップした状態で28日(同29日)のスコットランド戦(ハムデンパーク)へ調整を行った。
◇ ◇ ◇
長期離脱を強いられた鈴木彩は前向きだった。「自分としては本当にポジティブに捉えている」。左手中指と舟状骨の複雑骨折によるリハビリ4カ月間が充実していたからだ。昨年11月8日のACミラン戦で負傷。「手術をしてから3日後からは、がんがん動き出していた」と左手以外の強化に努めた。
右手のハンドリング、足元の技術の向上、さらには小さいボールに反応する練習や、動体視力や反射神経を高める「フラッシュ眼鏡」を着けてのトレーニングなど、脳や目にまでアプローチした。右手ばかりを鍛えると、左右のバランスが崩れる恐れもあるが「それも考えたんですけど、最悪右手で取れればいいかなと。復帰して左の感覚も戻しながらという感じですね」と笑い飛ばした。
とはいえ決して簡単な道のりではなかった。「握力は8キロとかまで落ちた」と告白。小1女子の平均並みでペットボトルキャップを開けるのも苦労するほどの状態から、握力50キロ弱まで回復させた。原動力はもちろん6月に迫る大舞台の存在だ。「常にW杯という目標を持ちながら、その先というところを見ながらできたかな」。
2月27日カリアリ戦でベンチ入りすると、3月13日のトリノ戦でピッチに立った。ただ復帰戦は4失点。「まだ完治はしていないので、まだ痛みと付き合いながらやらないといけない」としながらも「日に日に良くなっているなという感覚はある」と試合勘も取り戻しつつある。
一回り成長して迎える欧州勢との2連戦。本大会に向けての試金石となる。「これからのパフォーマンスでリハビリ期間にやってきたことが間違っていなかったというところを証明できたらいい」。「シン・ザイオン」をピッチ上で表現するだけだ。

