【ロンドン3月31日(日本時間4月1日)=佐藤成】日本が「聖地」に歴史を刻んだ。サッカーの母国イングランド相手にMF三笘薫(28=ブライトン)が決勝弾。アジア勢として同国初撃破の立役者となった。代表ではシャドー(トップ下)の位置で初先発し、チームの可能性を広げるプレーぶりを披露。6月開幕のW杯北中米大会に弾みをつける勝利をつかみ取った。

   ◇   ◇   ◇

鮮やかな速攻が完結すると、一瞬の静けさの後、日本サポーターが占めた「聖地」の一角から大歓声が上がった。前半23分、三笘が自陣まで戻って相手のボールを奪うと、細かい連係から鋭いカウンターを仕掛ける。左に走った中村からの折り返しを丁寧にダイレクトで流し込み、W杯欧州予選8試合無失点の相手ゴールをこじ開けた。

「シャドーとして(ボールを)取った瞬間、間違いなくチャンスだと思った。そこしかないと。狙っていた形だったので良かった」

新境地を示す71分間となった。従来は武器のドリブルを最大限生かすために左ウイングバックが主戦場。流れの中で内側に入ることはあったが、先発は初めてだった。シャドーの主軸だった南野と久保が負傷で不在。代わりに務めた新ポジションで背番号7が躍動した。森保監督からも「サイドからの起点、崩しという薫の良さとゴール中央の部分での起点、ゴールを決めるという部分も彼の持っている才能を見せてくれた」と称賛された。

これ以上ない舞台に自然と高ぶるものがあった。普段プレーするイングランドとの代表戦。それも聖地ウェンブリーで。クールな三笘が珍しく「プレミアでやっている選手もいましたし、僕もやってる身としては負けられない気持ちは強かった」と感情を吐露した。警戒される中、意気込み通りに結果を残してみせた。

飽くなき向上心が自身をさらなる高みに導く。はたから見れば絶対的主軸だが「ここでしっかりと代表選手として認められないといけないと思ってやってました」と危機感を口にする。ケガの影響で昨年9月の米国遠征を最後に代表からと遠ざかった。その間にチームはブラジル撃破など着実に進化。「起用してくれた監督にも応えたかった」。激しい競争が個と全体のレベルアップを促した。

歴史的な白星で世界一への勝ち筋が輪郭を帯び始めた。W杯優勝の可能性を問われ「十分可能。自信はみんな持っている」。本大会で主役に名乗りを上げる一夜となった。

【日本代表】三笘決勝ゴール!優勝候補イングランドから初勝利!聖地ウェンブリーで歴史的金星!

【動画】三笘薫先制点、ボール奪取からカウンター炸裂 イングランドに勝利