Jリーグは27日、リーグのNO・3に当たる中西大介常務理事(51)の退任を発表した。15~16年に女性ら複数の職員に不適切な言動を繰り返すなど、セクハラ、パワハラに相当する複数の行為が確認された。今月初旬に被害を受けた職員からリーグ内の相談窓口に通報があり、2人の弁護士に調査を依頼していた。中西氏本人が事実を認めた上で26日に辞任届を出し、この日開かれた理事会で受理された。

 村井チェアマンは管理不行き届きの責任を取り3カ月、報酬の10%を返上する。記者会見で「ファン、サポーター、クラブ、メディアのみなさんに不愉快な思いをさせたことを、申し訳なく思っています。被害にあった社員のケアも行います。さらに今後、2度とこういうことがないように、徹底的に教育していきます」と謝罪した。

 同チェアマンはさらに中西氏の行動の一部も説明した。「(女性職員に)業務時間外に高頻度で業務に関係ない電話をかけたり、好意を抱いていることがうかがえるような内容のメールを送付し、映画や美術館、コンサート、食事に誘い、高頻度で実現させた」と話した。この日、調査を依頼された弁護士からの報告によると「刑事罰を受けるような犯罪行為ではない」という。

 中西氏は、DAZN(ダ・ゾーン)との10年間2100億円の大型契約にかかわるなど、経営マネジメント部門の実質的なトップだった。常務理事の退任だけではなく、関連会社やバスケットボール男子のBリーグの理事など、全役職を辞任する。

 ◆中西大介(なかにし・だいすけ)1965年(昭40)8月14日生まれ。駒場高-神戸商船大を経て、97年Jリーグ入り。14年1月に常務理事。15年9月にBリーグ理事、今年4月にJホールディングス取締役&Jメディアプロモーション取締役就任。