横浜F・マリノスのDF中沢佑二(39)が、フィールド選手ではJ1歴代単独1位となる140試合連続フル出場を達成した。

 DFパク・ジョンスとセンターバックを組み、的確なコーチングとカバリングで、2点リードから1点を返された終盤の大宮の猛攻をしのぎきった。

 前節で並んでいた浦和MF阿部を抜き、大記録を樹立したが、試合後は「個人の記録よりも、ほしいのはマリノスのタイトル。Jリーグで優勝を達成して、おまけで僕の記録がついてくれば」と、チームの勝利が最優先であることを強調した。

 それでも、中沢に続いて連続試合フル出場を継続させているのは、鳥栖DFキム・ミンヒョクの45試合(1日現在)。中沢が記録を継続させなかったとしても、最低でも3年後までは誰も追いつけないという事実が、記録の偉大さを物語っている。

 2点目となる豪快ミドル弾を決めたDF山中は「偉大な選手だし、安心感が違う。一緒にプレーしていて勉強になる」と話し、パクは「素晴らしい新記録の隣にいたパートナーが自分だったことが光栄」と、尊敬の念を隠さない。モンバエルツ監督も「彼は今でもパフォーマンスを向上させていることをたたえたい。とくにボールをつなぐところは、どんどん良くなっている。チームにとって、精神的に引っ張ってくれるリーダー。日本に来て、彼のような素晴らしい選手に出会えて幸せ」と、最大級の賛辞を贈った。

 そんな周囲の声にも中沢は「とりあえず休んで、次に備えたい」と、すぐに次節のサンフレッチェ広島戦を見据えた。酒は飲まず、甘い物も取らない。そんな徹底した自己管理が、接触プレーの多いセンターバックでありながら、故障もせず、90分間走り続ける大記録へと導いた。